著者
志賀 利一
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.33-40, 1990
被引用文献数
4

我が国でも、発達障害児の治療・教育分野に応用行動分析の手法が用いられてから、既に20年が経過している。この間、多くの行動分析家は、学習理論をベースに様々な指導・評価手続きを開発したり、発達障害児の特異的な行動の解明に貢献してきた。一方米国では、社会的な変化に敏感な反応を示し、"応用行動分析は障害をもつ人の生活の質を向上させる一手段である"と割り切る、より実践的でノーマライゼーションの思潮を意図的に支持する研究者が増えてきている。例えば、彼らは般化と維持の問題は、指導により獲得したスキルを生徒のライフスタイルに組み込むことだと考えている。そして、これを実現するためには、"標的行動の教育的妥当性"、"自然な環境の詳細な分析"、"指導場面の論理性"、"アセスメント方法"などで、より一般化した方法論が必要だと主張している。私達も、障害をもつ人のライフスタイルの変容を期待される以上、この文化に合ったノーマライゼーション化の手段を検討する時期に来ている。
著者
大島 秀武 志賀 利一 森谷 敏夫 桝田 出 林 達也 中尾 一和
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.295-303, 2003-06-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
34
被引用文献数
1 2

The purpose of the present study was to develop a new method that enables individualized determination of the optimal exercise intensity for health promotion. Our study was based on the following observations : (1) physical activity at ventilatory threshold (VT) has been useful for enhancing physical fitness and even improving medical conditions such as heart failure, hypertension and diabetes, (2) exercise intensity at VT is characterized by suppressed vagal activity, and (3) vagal activity can be evaluated by analyzing heart rate variability (HRV) . In the first study we defined a criteria for determining the exercise intensity corresponding to VT using HRV analysis (heart rate variability threshold, THRV) . In 16 normal subjects, a time series of ECG RR interval were recorded and the means of the sum of the squared differences in successive RR intervals (MSSDs) were calcu-lated during a ramp exercise test with a cycle ergometer. Based on the values of MSSD and the dif-ferences in successive MSSDs (ΔMSSD) at the intensity of VT, we defined the criteria of THRV as follows : MSSD<25 msec2and ΔMSSD<6 msec2. Another exercise test with a cycle ergo-meter was performed to evaluate the relationship between THRV and VT in 63 normal subjects. Heart rate (HR) and oxygen uptake (VO2/wt) at THRV were 111.8±13.2 beats/min and 15.2±4.4 ml/kg/min, and HR and VO2/wt at VT were 116.2±11.6beats/min and 16.5±3.7ml/kg/min, respectively. There was a significant correlation between THRV and VT (HR : r=0.82, p<0.001, VO2/wt : r=0.88, p< 0.001) . Thus, THRV and VT provided almost identical exercise intensities. As a result, we propose that, similar to VT, THRV can be used as an indicator of the optimal exercise intensity suitable for health promotion in normal subjects.
著者
小久保 綾子 閑 絵里子 土屋 直樹 中嶋 宏 志賀 利一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.30, pp.71-74, 2014

近年、先進国のみならず新興国においても肥満人口が増加している。肥満は糖尿病や高血圧症等の生活習慣病に繋がるケースも多いため、罹患前に生活習慣を改善し、肥満を解消することが推奨される。しかし、過度な食事制限などにより急激な減量を行うとリバウンドのリスクが高まる。このような課題を鑑み、我々は減量成功事例443件を用い、ユーザが目標体重に到達するために目指すべき体重推移を幅をもたせて可視化し提示するシステムを開発した。本システムは、1ヶ月間の減量を支援するものであり、期間のはじめから終了にかけて体重がゆるやかに目標に収束するよう、成功事例を関数近似し、提示する。加えて、これらの成功事例から得る朝から晩にかけての体重の増量幅を提示する。本システムと体重推移の可視化がないシステムを比較した結果、本システムの利用者の体重減少量は後者のシステムと比較し、有意に減少していることが確認され、体重推移の可視化がユーザの減量に寄与することが示唆された。
著者
米田 光宏 田崎 博 土屋 直樹 中嶋 宏 濱口 剛宏 奥 正次郎 志賀 利一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.90-99, 2008-02-15 (Released:2008-05-20)
参考文献数
17
被引用文献数
2 7

生体インピーダンス法を用いて内臓脂肪量を推定する手法は,X線 CTや MRIによる計測に比べると,コストや安全性の点で優れている.しかし,この手法で高い推定精度を実現するためには,複雑な組成を持つ生体の個体差を考慮した計測とその信号解析およびモデリングが重要となる.本稿では,特徴量のバリエーションを確保し,有効な特徴量の選定によるモデリング手法を提案する.具体的には,カーディナリティという指標を用いて特徴量の性質を定量的に評価することにより,特徴量のバリエーションを確保する.さらに,統計的な評価指標である赤池情報量規準を用いることにより,特徴量の選定を行う.実験の結果,提案手法によって構築した推定モデルが,高い推定精度と安定性を示すことを確認した.