著者
本田 まり
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.159-167, 2005-09-19
被引用文献数
1

配偶者死亡後の生殖に関する問題は、生殖補助医療技術が発達した国々において共通に見られる。フランスでは、1994年に制定されたいわゆる生命倫理三法を改正する作業においてもこれが採り上げられ、2004年の生命倫理法に反映された。わが国においては判例上、夫死亡後にその冷凍精子により出生していた子の、死後認知の可否が問題となっている。本稿は、わが国における生殖補助医療関連の法整備にあたり、配偶者死亡後の「医学的に援助された生殖」について検討することを目的とする。フランスの状況について人工授精の事例と体外受精のそれとを区別した上で、法と倫理諮問機関との対立を概観し、法を分析する中から「公序」の内容を探る。さらに、わが国の立法における死後生殖に関する判断基準に対してフランス法が示唆するところを考察する。既に出生した子については現在のところ、その福祉のために、フランスにおいては嫡出性が、わが国においては死後認知が認められているといえよう。

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