- 著者
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吉田 安規良
- 出版者
- 日本理科教育学会
- 雑誌
- 理科教育学研究 (ISSN:13452614)
- 巻号頁・発行日
- vol.48, no.2, pp.115-125, 2007-11-30
- 被引用文献数
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ナトリウム-銅(II)-グリセリン錯体法を利用して,脂肪が酵素によって分解し,グリセリンが生成することを確かめる教材実験を開発した。基質としてオリーブ油を選定した。消化液は市販のビオフェルミン健胃消化薬錠から0.50%(W/V)リパーゼAP6溶液を調製して用いた。試験管にオリーブ油と調製した消化液を1.0 mLずつ入れて撹拌した後,40℃で24時間反応させた。24時間後の消化液はナトリウム-銅(II)-グリセリン錯体法によって,グリセリンの存在を示す青色を示した。失活した消化液では青色を示さず,グリセリンが生成しないことを確認した。遠心分離機の代わりにろ紙やディポーザブルメンブレンフィルターユニットを用いても実験が可能であることを確かめた。ビオフェルミン健胃消化薬錠以外の胃腸消化薬でも,同様の結果を得られるものがあることを確認した。