著者
君島 利治
出版者
東京農業大学
雑誌
東京農業大学農学集報 (ISSN:03759202)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.152-159, 2008-09-16

この拙論は,フィリップ・ラーキンの詩「かなり悪い事態」の三つの読み方を提示し,この詩の解釈の可能性,その広がりについて論考したものである。一般的に,この詩は日常的な失敗から自分の運のなさ,敗北感を感じるというごくありふれた内容によって,ラーキン的な運命論や宿命論を導き出している。しかしその奥には,詩作に行き詰まり癇癪を起こした詩人が,ふと我に帰り詩作の可能性を見出し,自分を鼓舞する詩とも解釈できる。さらにメタファやイメージを最大限に生かして拡大解釈すると,この詩は性的な内容に溢れ,自分の恋人達との性交の場面を描写している詩とも解釈できる。これら三つの解釈のどれが最もふさわしいかは,やはり読み手に委ねられてしまうわけではあるが,既述した読み方が進むに連れ,詩人の真意に近づいているのではないかと考えられる。

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こんな論文どうですか? フィリップ・ラーキン「かなり悪い事態」を読む : 三つの読み方による解釈の可能性(君島 利治ほか), https://t.co/VINsa8pn0J
こんな論文どうですか? フィリップ・ラーキン「かなり悪い事態」を読む : 三つの読み方による解釈の可能性(君島 利治),2008 https://t.co/3xKxBt5Y81

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