著者
荒井 健二郎
出版者
文化学園大学
雑誌
文化女子大学紀要. 人文・社会科学研究 (ISSN:09197796)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.73-83, 1997-01

アメリカ社会の中でマイノリティの1つであるゲイ (同性愛者の総称) たちは,長い間宗教と医学の両方から不健全であるというレッテルを貼られ,1950年代までは見えない存在,見えてはならない対象として葬られてきた。そしてゲイ・プレイも,それに追従することを強要されてきた。しかし,時代は確実に前進する。60年代という激動の時代に突入し,激変を始めた社会に突き動かされるようにしてゲイ解放運動が起こり,69年6月28日の「ストーンウォール暴動」へと発展,大きな弾みがつくことになる。時代を味方につけ,初めてゲイを肯定的に描いた革新的なゲイ・プレイが登場し,ゲイ・プレイの夜明けを予感させるまでになる。この論文では,アメリカ演劇の中で,傍流とみなされていたゲイ・プレイが時代の変化とともに主流に近づき,ついに合流するまでの経緯を照射する。

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