著者
小西 孝史 前田 義信 田野 英一 牧野 秀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.170, pp.25-30, 2008-07-20

我々は視覚障害者の歩行を補助する目的で,適応ファジィ推論ニューラルネットワーク(AFINN)を用いて現在位置を音声案内する「GPS-GIS位置案内システム」を開発した.開発した案内システムでは,地理情報システム(Geographic Information System:GIS)はユーザの周囲に存在するランドマークの知名度,正面方向,面積,重心(経度・緯度),ユーザの現在位置(GPSからの経度・緯度)と進行方向を取得する.これらは知名度,相対正面方向,ユークリッド距離,面積,相対進行方向,基準データの6つの要素に変換される,AFINNは以上の6つの要素より,認知距離に対応させるランドマーク重要度を算出する.このランドマーク重要度を用いることにより,現在位置案内を実現する.AHPを用いてユーザの嗜好を反映させた学習データをAFINNに導入することにより,汎用性の高い案内を得ることが可能となった.シミュレーションを用いてAFINNがユーザにとって有効な案内を出力することを統計的に示唆した.また実際に視覚障害者に案内システムを適用し,ユーザの観点から,システムの評価を得るとともに,意見を聴取した.

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