著者
池田 美桜
出版者
国際学院埼玉短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02896850)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.39-44, 2007-03

絵本とは文字表現と絵画的表現から成る本を指すのが一般的な通念であるが,中にはそれに当てはまらないものもある。物語中に文字の記載のない「文字なし絵本」はその-類型である。「絵が語る」「絵を読む」とは,絵本を鑑賞するひとつの方法として常套的に言われることである。文字なし絵本では「絵を読む」ことが鑑賞の中心であり,それこそが醍醐味となる。本論では「文字なし絵本」に焦点をあて,「みえないさんぽ このあしあとだれの?」と「くさむら」の2作品を介して,絵本における文字表現と絵画的表現の機能分析を試みている。また,文字なし絵本として一度出版したものを,後年になって文字を添えて改めて発表し直した田島征三の絵本「くさむら」に注目し,文字なし版と改訂版とを比較することにより,絵本における文字表現が読者の作品解釈を限定する可能性について分析している。

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