著者
金折 裕司
出版者
一般社団法人日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.285-292, 2008-12-10
被引用文献数
6 1

高島得三(雅号北海)は,明治5(1872)年23歳のときに生野鉱山に赴任し,フランス人鉱山技師コワニエについて2年間,フランス語と地質学を学んだ.その後,郷里の長州萩(現山口県萩市)に戻り,わずか2年余の間にわが国最初の地質図とその説明書に相当する『山口県地質分色図』と『山口県地質図説』を作成している.『山口県地質分色図』を現在の『山口県の地質図』と比較してみると,地層および岩種の分類は対比可能であり,それらの分布もほぼ的確に表現されている.高島得三はこのような業績を残していることから,わが国最初の"地質屋"であるといえる.

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