- 著者
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伊藤 真実子
- 出版者
- 公益財団法人 史学会
- 雑誌
- 史学雑誌 (ISSN:00182478)
- 巻号頁・発行日
- vol.117, no.11, pp.1981-1989, 2008
博覧会に関する研究は歴史学のみならず多方面から進められ、業績は厚みを増している。このことから現時点における博覧会研究の動向を整理し、その意義をふりかえってみることには意味があろう。博覧会研究は、一九、二〇世紀に各国で開催された万国博覧会を対象としたものがその中心となっている。とりわけ開催国となったアメリカ、イギリス、フランスで一九八〇年代から、日本国内では一九八〇年代後半から研究が盛んになってきている。欧米における研究は開催国の視点からのそれを中心としている。日本での研究は、日本における初めての万博開催が一九七〇年であったことから、そこにいたるまでの時期における万博参加の経過ならびに、そこで得られた参加経験から導かれた内国勧業博覧会の開催にかかわる問題群を中心にすえて進展してきた。本稿では、まず欧米における万国博覧会研究の動向をおさえ、次いで国内における博覧会研究の動向について考察を加えてみたい。