- 著者
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山田 雅子
齋藤 美穂
- 出版者
- 一般社団法人日本色彩学会
- 雑誌
- 日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
- 巻号頁・発行日
- vol.31, no.3, pp.183-194, 2007-09-01
- 被引用文献数
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顔からその人の性別を判断する際、肌色という要素も手がかりとして作用する。そして、その作用は専ら肌色が持つジェンダーステレオタイプに沿ったもの、すなわち、男性は色黒、女性は色白という方向性を持つものであることが報告されている(山田・齋藤、2004)。本研究では更に顔の形態パタンの変化に着目し、肌色と形態の両要素の連関を検討した。種々の実験の結果、特に男女の顔合成率が拮抗する場合には、肌の色がステレオタイプ的に作用することが分かった。逆に、顔の形態が男女の何れかに近い場合は、肌の色の作用は消失する傾向にあった。つまり、肌色が作用するためには顔の形態的要素における条件があるといえる。また、観察条件や課題の種類が既述の2要素の連関に影響する可能性も得られた。