- 著者
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草苅 仁
- 出版者
- 神戸大学
- 雑誌
- 神戸大学農業経済 (ISSN:02860473)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, pp.1-6, 2008-03
- 被引用文献数
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学校給食法は、学校給食にかかる食材費等は、保護者に負担の義務があることを規定している。しかし、最近、学校給食費を納めようとしない一部保護者の存在が問題となっている。食事と教育がセットになった学校給食は、いわば学校単位のクラブ財であると考えられるので、一部に「ただ乗り」が発生すると、その影響がクラブ(学校)全体に及んでしまう。以下、第2節では、文部科学省『学校給食費の徴収状況に関する調査』を用いて、生活困窮に関わる経済変数が給食費の未納率をどの程度説明できるか、簡単な回帰分析からチェックする。次に、第3節でクラブ財としての学校給食と家族の規範意識との関係をモデル分析から考察する。以上の作業によって、給食費未納問題と規範意識との関係を検討することが本稿の課題である。