- 著者
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草苅 仁
- 出版者
- 日本農業経済学会
- 雑誌
- 農業経済研究 (ISSN:03873234)
- 巻号頁・発行日
- vol.86, no.2, pp.162-165, 2014-09-25 (Released:2016-03-26)
日本農業経済学会の大会シンポジウムは,過去の24回のうち,時事問題が17回を占め,平均して50歳前後の報告者とコメンテーターで担われてきた.その結果,実証による批判的検討を重ねてきた学会の特徴が,しだいに希薄化した.こうした状況の中で,従来からの懸案である「本誌投稿数の低迷」は改善されず,新たに「若手研究者のシンポジウム離れ」が進行している.本報告では,学会が1)政策談議好きグループ,2)業績好きグループ,3)研究好きグループの3つに分断され,「合成の誤謬」が生じている現状を指摘し,若手の研究者・行政担当者を報告者に,中堅・シニア研究者を討論者に起用することで,企画担当の立場から改善策を提示した.