- 著者
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角岡 賢一
- 出版者
- 龍谷大学
- 雑誌
- 龍谷紀要 (ISSN:02890917)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.1, pp.157-173, 2007-09
この小論では、日本語方言区分の実際と基準について論じる。一般的に現代日本語は、東日本・西日本・九州・琉球という四大方言への区分がなされる。他方でアクセントによる区分では、無型・一型・二型という理論面から分類され、主要方言の大部分は二型アクセントに属す。いずれの区分においても、人口の多い方言が有力であるという実態が観察される。これは日本語のみならず、世界中で多くの言語または方言においても同様である。これを方言における人口優位の原則として仮説化し、検証する。東日本・西日本・九州・琉球という大区分では、この順で人口が多く、東日本方言の優位性が裏付けされている。これを絶対的人口優位原則と仮定する。それぞれの大区分において小区分する際も、人口の多い小区分が優位となる。これを相対的人口優位原則と仮定する。東日本においては東京方言、西日本方言においては京阪方言、九州方言においては博多方言がそれぞれ優位である。これら小区分間の相対的な優位性も、人口によって順位が定まってくる。