- 著者
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佐々木 英昭
- 出版者
- 龍谷大学国際文化学会
- 雑誌
- 国際文化研究 (ISSN:13431404)
- 巻号頁・発行日
- no.12, pp.3-13, 2008
文学的趣味の東西での「矛盾」をどう考えるかという英国留学期以来の夏目漱石の課題は、数年後の大著『文学論』において、「正典」の形成とそれへの抵抗の様相を「暗示」の戦いという図式において把握するという理論に結実している。この「暗示」概念を中核とする漱石の理論をロシア・フォルマリズムやI・A・リチャーズなどの先駆的文学理論と突き合わせ、それらに先行した『文学論』の世界史的意義を考察する。