著者
小室 裕明
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.115-123, 1986-03-25
被引用文献数
1

本宿型陥没構造(cauldron)は,1.ドーム隆起,2.陥没形成,3.噴火,という形成過程をふみ,いくつかの陥没が討究する傾向がある.隣接する陥没盆地間の中心距離は,数km〜30km,平均して20km程度である.このように陥没盆地がある一定の距離を隔てて等間隔配列をするのは,それぞれの盆地に対応してマグマ溜りが深部の低密度の部分溶融層から浮上してきたためと考えられる. Rambergによる重力不安定の理論式にもとずいて,20kmの卓越波長を生じる条件を数値計算した.モデルは2層構造であり,上層/下層(浮上層)の比が,0.2, 0.5, 1.0, 2.0, 5.0, 10.0の6通りのケースを設定して,粘性係数比と肩摩の関係を求めた.その結果,卓越波長は,上層の厚さ(部分溶融層の深さ)にはほとんど無関係であり,部分溶融層の厚さに大きく影響される.20kmの卓越波長を与える溶融層の厚さは6km以下である必要がある.

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@gervillaria @kobiwa_net @_Marubashi なお、そもそも全ての火山性の陥没をCauldronと呼ぶべきという主張もありますw (Smith and Bailey, 1968) http://t.co/wYAiLJOmN8

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