著者
倉光 晃子 趙 慶恩 園山 繁樹
出版者
障害科学学会
雑誌
障害科学研究 (ISSN:18815812)
巻号頁・発行日
vol.32, pp.159-171, 2008-03-25
被引用文献数
1

本研究は、無発語の広汎性発達障害児1名に対して、PECS(写真カード交換式コミュニケーションシステム)訓練を行い、機能的なコミュニケーション行動の形成と拡大への効果について検討した。生態学的アセスメントによって、家庭での対象児が要求行動を生起しやすい状況を把握し、訓練場面を設定した。PECS訓練は、対象児の家庭において母親が訓練者となって実施された。訓練手続きについては、写真カードと文シートを用いた要求行動を課題分析して、各段階の行動が着実に形成されるように配慮した。対象児は、比較的短期間でカードを用いて欲しいものを要求する行動を獲得した。また、家庭における非訓練場面においてもPECSを利用した要求行動の般化や、訓練者でない父親に対するPECSを利用した要求行動の生起が確認された。今後の課題として、家庭場面や食事の文脈以外の状況において、PECSを利用した要求行動の般化を検証する必要性が示唆された。

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こんな論文どうですか? 広汎性発達障害児に対する家庭を基盤としたPECSを用いた要求言語行動の形成(倉光晃子ほか),2008 http://id.CiNii.jp/dxCdL

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