著者
平 弥悠紀
出版者
同志社大学
雑誌
同志社大学留学生別科紀要 (ISSN:13469789)
巻号頁・発行日
pp.31-45, 2001-12

音象徴語をA型(1拍語基の語),AB型(2拍語基で,第2拍がラ行音以外の語),AR型(2拍語基で,第2拍がラ行音の語)の三つに分けて,擬音語がどのようなタイプの語に多く用いられているのかを調査した。型別では,擬音語としての用法をもつ語の割合はA型に多く,AR型には比較的少ない。それぞれの型においても,A型では「Aー,Aッ,Aン」,「AーAー,AッAッ,AンAン」タイプに,擬音語としての用法をもつ語が多く含まれているが,特に,引き音節の「Aー,AーAー」タイプのものに集中していた。AB型の語では,「ABリ」には擬音語として用いられる語があるにもかかわらず,「AッBリ,AンBリ」にはほとんどない。AR型では,語基に「リ」の添加された形の「ARリ,ARリARリ」等にはあまり擬音語として用いられる語はなく。「リ」の添加されない「ARAR,ARARッ」等が擬音語としての用法をもっていた。AB型,AR型では「リ」が添加されているか否かで,擬音語として用いられる語の分布に偏りが見られた。また,擬音語を意味分野別にみると,「動物・人の声」の擬音語,声を発するという行為に近い「吐く,吹く,吸う,呼吸する」ことを表す擬音語はA型に多かった。しかし,同様に口を使って行う行為でも「噛み砕く」はAR型,「飲み込む」はAB型の語に集中しており,意味分野によって,用いられる語のタイプに偏りがあることがわかった。

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