- 著者
-
平 弥悠紀
- 出版者
- 同志社大学
- 雑誌
- 同志社大学留学生別科紀要 (ISSN:13469789)
- 巻号頁・発行日
- vol.4, pp.17-29, 2004-12
天沼寧編『擬音語・擬態語辞典』(1974〔昭和49〕年,東京堂出版)に収録されている音象徴語を,A型,AB型,AR型の三つに分けて,擬態語がどのようなタイプの語に多く用いられているのかを擬音語と比較した。型別に見ると,A型は音象徴語全体の中でも少数である上に,特に擬態語は少ない。A型の中では,擬態語では「Aッ」,擬音語では「AーAー」タイプが最も多かった。AB型では,「ABAB」タイプは,擬態語,擬音語ともに最も多く用いられている。特徴的であるのは「AッBリ,AンBリ」タイプの語で,擬態語としての用法がほとんどであった。AR型においても,擬態語,擬音語ともに。「ARAR」タイプが一番多かった。AR型で特徴的なのは,「リ」の添加されたタイプはほとんどが擬態語として用いられており,擬音語としてはあまり見られないことである。全ての擬態語,擬音語について見ると,擬態語としても擬音語としても1位は「ABAB」タイプで,4位に「ARAR」タイプが入っている。2拍語基の重複型は,擬態語,擬音語を問わず,全ての音象徴語の代表的なタイプであると言える。擬態語の上位にA型のタイプは少なく,一方,擬音語では6位から10位はすべてA型である。擬態語の第3位の「AッBリ」,8位の「ARリ」は,擬音語としてはほとんど用いられていなかった。また,語末の音については,「リ」は擬態語に多く,撥音は擬音語に多く見られた。用例数は少ないが,引き音節についても,擬態語に少なく,擬音語に多かった。