著者
日高 三郎 Saburo HIDAKA 福岡医療短期大宇歯科衛生宇科・草木社 Department of Dental Hygiene Fukuoka College of Health Sciences SomokuSha Fukuoka
雑誌
日本歯科医史学会会誌 (ISSN:02872919)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.16-21, 2001-02-20
参考文献数
24
被引用文献数
1

古い伝承文献である法華経経典の中から歯科医学関連の単語として,歯,口,舌を含んだ語句を採り出しそれらの表現について検討した.歯,口,舌の語句は特徴的に三十二相・八十種好の中で釈尊の尊貴な姿を賛えるために使用されていた.一方,病的ないし不健康状態については歯の着色・形状・歯並び,口臭,舌の病気に関する表現が見られた.病的状態の原因について,仏法では善因善果,悪因悪果という因果応報で説明している.このことは現代人の考える病因論とは非常に異なっている.しかし,これら法華経中の歯,口,舌に関する表現の中には現代に通じるものがあり,われわれの健康・審美思想は法華経経典から強く影響を受けていると考えられた.

言及状況

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