- 著者
-
石川 慎士
片山 幸太郎
糸賀 裕
- 出版者
- 日本歯科医史学会
- 雑誌
- 日本歯科医史学会会誌 (ISSN:02872919)
- 巻号頁・発行日
- vol.26, no.1, pp.29-54, 2005-03-30
- 参考文献数
- 253
- 被引用文献数
-
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我々は日本のスポーツ界に偉大な足跡を残した歯科医師に関する一連の研究の実施を企画した.すなわち,スポーツとの関わり合いが深く,歯科医学に対して,またスポーツに対して,多大なる貢献をなされた諸先覚の業績を記録していくことにより,スポーツ歯学という新しい分野の歴史的発展への道標のひとつにしたいと考えた.今回は昭和32年から昭和38年まで6年に亘りプロボクサーとしてフェザー級及びバンタム級で活躍した歯科医師黒木正克先生の業績について報告する.黒木先生は昭和32年,1958年度西日本フェザー級新人王戦でプロデビューを果たし,見事西日本フェザー級新人王に輝いた.その後も本格的なボクサータイプのKOボクサーとして関西のボクシング界を中心としてその名を全国に馳せ,フェザー級6位およびバンタム級5位にランクされた.最終戦績は49戦25勝(12KO・TKO)18敗3分け3エキジビジョンの輝かしいものだった.