- 著者
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石川 慎士
片山 幸太郎
糸賀 裕
- 出版者
- 日本歯科医史学会
- 雑誌
- 日本歯科医史学会会誌 (ISSN:02872919)
- 巻号頁・発行日
- vol.25, no.3, pp.117-125, 2004-05-30
- 被引用文献数
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我々は日本のスポーツ界に偉大な足跡を残した歯科医師に関する一連の研究の実施を企画した.すなわち,スポーツとの関わり合いが深く,歯科医学に対して,またスポーツに対して,多大なる貢献をなされた諸先覚の業績を記録していくことにより,スポーツ歯学という新しい分野の歴史的発展への道標の一つにしたいと考えた.今回は,昭和31(1956)年12月,第16回オリンピック・メルボルン大会の水泳競技に1500m自由形選手として参加し,活躍された歯科医師八木清三郎先生の業績についで報告する.八木先生は『古橋の再来』と言われた山中選手と高校時代から良きライバルとして水泳に励み,大学では同じ部のチームメイトとしても切磋琢磨した.その結果,世界記録第3位という輝かしい成績及び第16回オリンピック・メルボルン大会出場の栄冠を手にした.