- 著者
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廣澤 満之
田中 真理
- 出版者
- 日本特殊教育学会
- 雑誌
- 特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
- 巻号頁・発行日
- vol.45, no.5, pp.243-254, 2008-01-31
即時性エコラリアや遅延性エコラリアといった、子どもによって独自の意味が込められ、伝達意図が伝わりにくい発語を非慣用的言語行動という。本研究では、非慣用的言語行動を多用する自閉性障害児に対して、対象児からの応答率が高いかかわり手の発語を明らかにすること、かかわり手の非慣用的言語行動に対する理解の変容過程を明らかにすることを目的とした。1名のかかわり手を対象として、かかわり手の発語と対象児との自由遊び場面に対するプロトコルを分析した。その結果、かかわり手の発語のうち、言葉遊びのように会話ターンの充足自体を目的とした発語・モニタリングへの応答率が高かった。また、かかわり手の非慣用的言語行動への理解は、"意味の付与""有用なコミュニケーション手段としての理解""非慣用的言語行動の積極的利用"という段階があると考えられた。非慣用的言語行動のコミュニケーション手段としての有用性についての議論が行われた。