- 著者
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山根 裕美子
相原 道子
立脇 聡子
松倉 節子
蒲原 毅
山川 有子
池澤 善郎
- 出版者
- 一般社団法人 日本アレルギー学会
- 雑誌
- アレルギー (ISSN:00214884)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, no.5, pp.537-547, 2009
- 参考文献数
- 17
- 被引用文献数
-
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【背景】Stevens-Johnson syndrome(SJS)およびtoxic epidermal necrolysis(TEN)の治療としてはステロイド薬の全身投与のほか,免疫グロブリン大量療法や血漿交換療法が試みられている.【目的】SJSおよびTENの治療の現状とその効果を評価する.【方法】2000年から2007年の8年間に横浜市立大学附属2病院皮膚科で経験したSJS 27例とTEN 19例についてその臨床的特徴および治療法を検討した.【結果】TENの1例を除き全例でステロイド薬の全身投与が行われていた.ステロイドパルス療法が選択された症例はSJSの8例,TENの9例であり,免疫グロブリン大量療法や血漿交換療法が併用された症例はSJSで3例,TENで8例あった.死亡率はSJSが3.7%(1例),TENが21.1%(4例)であった.TENの死亡例2例は敗血症を合併し死亡した.【結語】感染症管理の難しさが浮き彫りとなったが,適切なステロイド薬の投与はSJSおよびTENに有効な治療法であると考えられた.