- 著者
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山道 真人
角谷 拓
- 出版者
- 日本生態学会
- 雑誌
- 日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
- 巻号頁・発行日
- vol.59, no.2, pp.207-216, 2009-07-31
- 被引用文献数
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9
野外で得られる生態学のデータは複数の因果関係・プロセス・誤差を含み、複雑な構造を有している。その中から知りたい情報を抽出するためには、適切なモデリングが必要不可欠である。シミュレーションモデルは複雑なプロセスであっても直感的なモデリングが可能であるため、保全・管理などの応用的な分野において広く用いられている。しかし、(1)パラメータ数が膨大になる、(2)実測データにもとづいた適切なパラメータ推定が難しいという2点から、その有効性を疑問視する見方もある。近年、シミュレーションモデルの持つこのような弱点を克服する強力な手法として「ベイジアンキャリブレーション」が提案されている。ベイジアンキャリブレーションとは、MCMCなどのベイズ推定の手法を用いて観測データからモデルのパラメータを推定する手法である。本稿では、ベイジアンキャリブレーションの有効性を個体ベースの移動分散モデルを事例に示す。