著者
橋本 遼 新熊 亮一 小西 琢 田仲 理恵 板谷 聡子 土井 伸一 山田 敬嗣 高橋 達郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.122, pp.77-82, 2009-07-02
被引用文献数
2

情報通信技術の発達により,情報発信のコストは小さくなった一方で,受信者には多くの不要な情報も届くようになり,発信者側が情報をそれを必要とする人に到達させ,かつ,活用されるようにすることは非常に難しくなった.従来,情報受信者側の嗜好情報を取得し,それにあわせて情報を発信する方法が提案されてきたが,この方法は情報フィルタリングのために多大なコストを要する.そこで本稿では,知人や友人をHop-by-Hopに経由する口コミでの情報伝播に着目する.このように伝播された情報の魅力や信憑性は,一方的に届けられた情報と比べ高いと考えられる.また,情報は伝播させる人の嗜好に基づいてフィルタリングされるため,その情報を必要とする人のみに伝播させられる可能性がある.しかし,Hop-by-Hopの情報伝播には,情報を積極的に伝えない・受け取らない参加者が存在する,ある情報を必要とする参加者が必ずしも単一の(切れ目の無い)ネットワークを構成しているとは限らないといった問題がある.そこで,インセンティブ報酬付与による情報伝播の促進を提案する.モバイル端末を用いたFace-to-Face(F2F)での実証実験を行い,報酬付与による情報伝播制御の可能性を検証する.

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