著者
楊 韜
出版者
一般社団法人中国研究所
雑誌
中国研究月報 (ISSN:09104348)
巻号頁・発行日
vol.63, no.9, pp.13-25, 2009-09-25

本稿は,1920年代半ばから1940年代初めまでに生活書店が発行した『生活』,『新生』,『生活星期刊』,『抗戦』,『大衆生活(新1-30号)』各誌の投書欄の記事を分析したうえ,その読者・投書者・編集者相互のやり取りについて考察した。雑誌と読者,編集者と読者,読者と読者(その中には,目が不自由な「間接的」読者をも含む)など,関係者相互の積極的な交流と参加は,このような投書欄を活気づけた。投書欄は,読者・投稿者・編集者の間のコミュニケーションを通して,互いの活発な議論と共有する経験をつくり上げると共に,問題解決へ向かう深い友情を育もうとする表現媒体である。投書欄においては,年齢も職業もそれぞれ違う様々な人々が,掲載された投書を読み,記事を投稿するという行為によって,互いに情報を提供したり,議論したりする誌上の「コミュニティー」を生み出した。

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