- 著者
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朝倉 輝一
- 出版者
- 沖縄大学人文学部
- 雑誌
- 沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
- 巻号頁・発行日
- no.11, pp.31-42, 2009-01
本稿では、道徳教育におけるケアの倫理の在り方を検討する。教育学者ノディングズのケアの倫理は、関わり合いの中での受容性や相互性を重視する。一方、クーゼは看護倫理の立場から、ケア一元論ではなく、患者にとっての最善と社会的正義を同時に追求できる選好功利主義を対置する。特に道徳判断力形成にとっては、二者択一的なモラルジレンマよりも、医療倫理にみられるようなケーススタディをモデルとしたモラルジレンマ解決のための対話が必要である。