著者
山野 良一
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 = Journal of the Faculty of Humanities and Social Sciences (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.24, pp.117-123, 2021-03-31

乳幼児を持つ世帯の保育利用および共働き割合の所得格差について、国民生活基礎調査の2 次データを活用し分析を行った。1998 年、2007 年、2016 年の3 年間の継時分析とし、乳幼児全体と3 歳未満児のいる世帯で分析した。結果として、かつて見られていた、低所得層と高所得層が中所得層と比べ、高い割合で保育を利用するというU 字型の傾向は、乳幼児全体でも3 歳未満児でもすでに見られなくなっていた。また、共働きの割合は、増加の割合に階層差が見られ、特に3 歳未満児では、低所得層が中高所得層に比べ、増加傾向が低いことが推察できた。3 歳未満児では、共働きの傾向と経済状況との間には、右肩上がりの直線的な関係が生じ、低所得層では共働きをする割合が中高所得層に比べ相対的に低くなっているという可能性を示唆していた。
著者
圓田 浩二
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.65-77, 2005-03-31

摂食障害者はしばしば性的虐待の犠牲者であると語られたり、あるいは恋愛依存症やセックス依存症を併発すると指摘される。本稿は、摂食障害者のセクシュアリティの実態を明らかにすることで、彼女ら/彼らの食と性との関係を分析する。そこで本稿では次の二つの問いを設定する。(1)「摂食障害において食と性は関連しているのか? 関連があるとすれば、どのような関係なのか?」、(2)「摂食障害者のセクシュアリティはそれ以外の人々と同質なものなのか? 違いがあるとすれば、何がどう違うのか?」。使用されるデータは、筆者が収集した35人の摂食障害者に対する面接インタビュー調査と日本国内で行われた全国規模の質問紙調査とで得られた二つの調査結果である。分析の結果、摂食障害において食と性は強く関連していることと、摂食障害者のセクシュアリティはそれ以外の人々のそれと同質なものであったが、摂食障害者はその心理的・情緒的な面において困難を抱えていることがわかった。
著者
壱岐 一郎
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-12, 2002-03-31

21世紀,最初の年は米中枢多発テロ,炭疽菌テロで米国が揺らいだ。日本政府は英国に次ぐ武力報復協力を示した。「報復」ムードの中で1941年9月に急死した,ジャーナリスト桐生悠々(1873-1941)を回顧することは無駄ではなかろう。大阪,東京,長野,名古屋などで記者活動をした桐生は信濃毎日新聞主筆として関東防空大演習を嗤う」を書き,退社に追い込まれ,60代の8年間,半月刊の個人誌『他山の石』を発行し続けたが,日米開戦3か月前,「廃刊の辞」を記した。「この超畜生道に堕落しつつある地球の表面より消え失せることを歓迎致し居り候うも,唯小生が理想したる戦後の一大軍粛(ママ)を見ることなくして早くもこの世を去ることは如何にも残念至極に候う」(一部,現代読みに訂正)と記した。九・一一事件の直後,米大統領は「西部劇」そして「十字軍」のように進撃をと口走った。低劣な台詞は「畜生道の地球」が決して軍縮の道を歩いていないことを示す。
著者
玉木 千賀子 たまき ちかこ Tamaki Chikako 沖縄大学人文学部
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 = Journal of the Faculty of Humanities and Social Sciences (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.19, pp.81-92, 2017-03-24

本研究の目的は,ヴァルネラビリティに対する意向確認のとらえ方を社会福祉制度の動向に沿って考察することである.生活保護法をはじめとする戦後の社会福祉に導入された申請・措置方式,社会福祉基礎構造改革以降,福祉サービスの提供方式として用いられている契約方式の下では,自らの社会生活課題に対する認識の乏しい人や申請・契約の能力が十分に備わっていない人が支援から取り残されるという課題が生じた.そのようなヴァルネラビリティに対する支援上の課題は,申請・措置方式の時から指摘されていたが,生活困窮者自立支援法の施行によって漸くヴァルネラビリティに対する支援システムが制度化され,意向確認とそれに基づく支援の取り組みがはじめられたところである.また,障害者福祉の領域では,障害者権利条約の批准,障害者差別解消法の施行等を契機に,障害の状態にある人の意思決定支援のあり方の検討が進められている.社会福祉はヴァルネラビリティに対する支援に本格的に取り組みはじめており,そのような状態にある人に対する意向確認のあり方の検討は,個人を尊厳するというソーシャルワークの価値の具現という意味においてとりわけ重要な検討課題である.
著者
圓田 浩二
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.55-64, 2004-03-31

本稿は近年増えつつあるとされる男性の摂食障害に焦点を当て、「なぜ男性が摂食障害になるのか?」、「男性の摂食障害は女性の摂食障害と比較してどう違うのか?」という問いに答えるべく、社会学的見地から男性における摂食障害の原因について考察を深めている。具体的には、文献資料とインタビューデータを用いて、男性摂食障害者の発症モデルを構築する。この作業によって四つのモデルは構築された。(1)ボディ・イメージ型、(2)食事不安型、(3)ジェンダー・アイデンティティ型、(4)環境不適応型である。結論として、ジェンダー・アイデンティティ型を除くと、三つのモデルに男性らしさや男性的価値観が影響していることがうかがえる。それらはさらに二つのタイプに分類できる。一つは見た目に関わるボディ・イメージ型と、もう一つは常に成功者や勝利者でなければならず、失敗を恐れ、それが他人に知られることを極度に恐れる食事不安型と環境不適応型がある。
著者
玉木 千賀子 たまき ちかこ 沖縄大学人文学部
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 = Journal of the Faculty of Humanities and Social Sciences (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.18, pp.91-98, 2016-03-07

本論は,個人を固有の存在として捉えるというソーシャルワークの価値(個人の尊厳)に依拠したケアマネジメントのありかたを検討するための予備的研究である。ソーシャルワークのアプローチにおいて人を中心としたアプローチとして位置づけられるPerlman の問題解決アプローチの構造と支援過程を整理し,個人の尊厳に関係するソーシャルワークの概念に関連づけて考察をした。その結果,その人の成長を一義的な目標に位置づける,問題解決力を涵養するための問題の部分化,リハーサル体験の反復,情緒的・知的・身体的側面からの対処能力向上等,支援を必要とする人の尊厳に結びつくと考えられる視点を見い出すことができた。一方で,自己決定の考え方,日本の文化的特徴の自己決定への影響,言語的コミュニケーションを用いることによる対象の限定,問題解決の認識が乏しい場合等の本アプローチの適用上の検討課題が示唆された。
著者
吉川 麻衣子 よしかわ まいこ Yoshikawa Maiko 人文学部福祉文化学科准教授
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.20, pp.1-16, 2018-01

本研究では,トランスジェンダー青年が,思春期・青年期の発達過程においてどのような行為や心情を経験し,自らの生き方をどのように模索するのかを複線径路・等至性モデル(TEM)を用い質的に分析した。4 名の研究参加者がサポート・グループで語った内容から作成したTEM 図を基に分析したところ,①「自分らしさ」を模索する過程で自己を過剰抑制して自傷行為等に及び,②「性同一性障害(性別違和)」という用語を知って自らの性別違和感を理解し,③サポート・グループに参加することで他者と類似した経験を語り合えることの安心感を得て,④高校に進学することを選択し,⑤ジェンダークリニックを受診し,⑥大学・専門学校に進学することを選択していた。それらの経験に至る径路は多様であり,親や教師の理解が得られるかどうか,診断を受けて治療を開始できるかどうかが,トランスジェンダー青年が思春期・青年期を生きる上で重要な岐路となることが示唆された。Using the Trajectory Equifinality Model (TEM), this study has conducted that transmen youth experienced what kind of act and feelings in adolescence and groped for how I should live. The TEM was created based on the narratives of four transmen who participates in the support group. As the results, six important points were clear: for example, knowing the word"Gender Identity Disorder / Gender Dysphoria," finding the support group that can talk about oneself in peace, and having parents and teachers understand oneself. Their aspects were the complex and diversity of life.
著者
須藤 義人
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.65-77, 2004-03-31
被引用文献数
2

近年、各メディアからの情報を主体的に判断し、発信伝達できる能力や情報モラルが若年層に求められている。メディアリテラシー教育としてのNIE実践授業は、<メディアを使いこなし、メディアの提供する情報を読み解く能力>を育む学習方法として有効である。沖縄尚学高等学校附属中学校の特設科目「情報基礎」では、スキル中心の情報教育ではなく、情報コンテンツを重視して、授業カリキュラムにデジタル的な作業(Web制作)にアナログ的な作業(新聞分析)を取り入れた。2003年度より適用された新高等学校指導要領では、高等学校の普通教科「情報」の目標を、小学校での<総合的な学習の時間>における情報分野の取り組み、中学校での技術・家庭「情報とコンピュータ」といった情報教育の取り組みと合わせた形で、(1)情報活用の実践力、(2)情報の科学的な理解、(3)情報社会に参画する態度、という三つの観点から養成することを掲げている。本教科「情報基礎」の学習領域は、高等学校の普通教科「情報C」の基礎部分にあたる。情報活用の能力のうち、今後重要視される能力は、活字メディアからの情報コンテンツの受容能力とデジタルメディアを使った表現能力であろう。そこで特設科目「情報基礎」では、メディアにおける情報発信者としての恣意性と情報受信者としての読み解く能力を多面的に理解させることを目標とした研究授業を展開した。NIE教育の新たなる展開として、実践の対象を、中等教育(中学校・高等学校)だけでなく高等教育(大学)にまで拡大することが望ましいと考える。
著者
見城 育夫 けんじょう いくお Kenjo Ikuo 沖縄大学人文学部福祉文化学科
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.22, pp.51-59, 2019-03

2018 年度介護保険制度改正に伴う自立支援・重度化防止に向けた取り組みについては,ここに至る過程において様々な議論が行われてきた。今改正のこれまでの議論の整理及び改正の論点と今後の課題について文献分析を基に考察することにしたい。
著者
圓田 浩二
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.83-94, 2010-03-31

本稿の目的は、スターパ・ダイビングというスポーツを行う人々の行為を解明し、その特徴が現代社会とどのように関連づけられるかを探ることにある。ダイパーがどのような動機付けと社会的条件のもとにダイビングを行い、その結果として何を得ているかについて分析・考察を行う。ダイビングを行う人々の行為分析であると同時に、ダイビングを通して現代日本社会のもつ問題を明らかにすることになる。最初にダイビングをフローと位置づけ、次にカイヨワの遊びの概念を用いてダイビングの特徴を明からにする。そして、ダイビングを特徴づける「偶然」と「眩暈」の要素から、現代社会とダイビングの関係性を論じる。現代社会において、ダイビングがスポーツとして、遊びとしての、偶発性に左右され、自己を喪失させ、環境への融合を果たすという、優れた性質をもちながら、その感覚自体が社会制度へと回収されてしまっているではないかと分析している。分析枠組みとして用いるのは、M. チクセントミハイのフロー概念、R. カイヨワの4つの「遊び」の類型、A. ギデンズの再帰性の概念である。結論として、ダイビングを特徴づける偶然と眩暈の要素は、個人にとって、競争と管理、監視、ルーティンによって特徴づけられる日常から引き起こされる存在論的な不安を解消することになる。結果的に、ダイパーが体験として行うダイビングは、現代社会に生きる個人の存在論的な不安を解消する制度として確立されている。
著者
チャンドララール ディリープ
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.11-30, 2003-03-31

本研究は,スリランカで使用されてきたポルトガル語を元にしたクレオール語の例を通して,言語の起源と消滅という両現象に関係するいくつかの重要な問題を提供する試みである。スリランカ・ポルトガル系のクレオール語に関する歴史的,言語社会学的情報を掘り出し,収集資料を言語接触の観点から解釈・分析・記述を行なうことに務める。言語資料の分析においては,言語的変化の過程が社会的変化の過程と並行して進むという前提を活用する。そして,言語の消滅が複雑に絡み合った政治経済的・社旗心理的要素に影響を受けることを指摘する。言語接触と言語消滅の一つの特例にとどまらず,言語の普遍的な問題についても検討を加える。例えば,言語変化の過程とはどのようなものか,その過程に関する接触,多様性や非活性化などの事実が言語理論にどのように貢献するのか,その過程を探ることによってどのような類型的,歴史的洞察が得られるのか,などの問題を考察する。最後に,言語接触が,ある言語形式の進化的発生の道を中断させながら,ことばの中に根本的な変化を持たせることを証明する。そうすることによって,接触言語の起源と存在が語族と祖語の仮説に対して大きな問題を提起することを主張する。
著者
劉 剛
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 = Journal of the Faculty of Humanities and Social Sciences (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.26, pp.121-140, 2023-03-17

琉球王国では、中国福建から渡来人によって豆腐乳が伝えられると、転身して王府の保護食品となり、王宮では珍味に格上げされたという。つまり、在地化されて文化的変容と受容により再現した。それは、薫り高いチーズのような、そしてチーズよりもコクのある、素晴らしきキューブ状の「東洋のチーズ」といい、栄養食品として王府に認定された秘蔵物である。その後、琉球王国の滅亡とともに、その運命は波乱に満ち、戦争によってほとんど消滅してしまった。しかし、戦争によって王室の保護もなくなり、民衆の食卓に降りてくるようになった。今、普及と革新の過程で、新たな問題や出会いに直面している、と筆者は提言したい。
著者
玉木 千賀子
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 = Journal of the Faculty of Humanities and Social Sciences (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.24, pp.125-135, 2021-03-31

教育活動の一環として取り組んでいる「聞き書き」の研究動向の確認と活動の可能性を考察した.「聞き書き」は多岐の領域で取り組まれているものの,理論的研究,方法の有効性に焦点化した研究蓄積は限られている.しかしながら「聞き書き」には,多様なつながり・新たな地域のストーリーの構築をはじめとする効果があることが確認された.これらの効果は,地域共生社会づくりという今日の社会福祉の方向性と一致する.そのため他者の話を聞くことの意味を問い直し,「聞き書き」の視点・方法をこれからの社会福祉の支援に活かすことが求められる.
著者
緒方 修
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.3, pp.67-73, 2002-03

1994年以来、筆者は世界各地で開かれる客家大会に参加している。94年12月中国・広東省梅州、96年11月シンガポール、98年10月台北、99年11月マレーシア・クアラルンプール、2000年中国・福建省龍岩。毎回、世界各地の30~70を数える客家団体が、代表団を送り込んでくる。開会式は多い時で2500人を超える。参加者は想像もつかない数に膨れ上がることもある。特に中国大陸で開かれた2回の大会(94年12月広東省梅州、2000年福建省龍岩)は街をあげての歓迎だった。当局の発表で約20万人と記憶しているが、おおげさな数字ではなかろう。小中高生が動員され、歓迎行事やマスゲームに欠かさず出演する。警察も役所も全てが期間中はかかりきりになる。なにしろこの大会のために道路や競技場が新設され、文化会館やその他の施設が出来るほどだ。中国にとっては世界中から人を迎える大事な大会なのだ。今回参加した台湾・新竹の客家大会は、世界大会ほどの規模ではない。だが新竹は台湾の中でも客家人の多い地域として知られている。県知事も客家人だ。本来アメリカで開かれている大会をわざわざ今回台湾で開くことにも興味を持った。新竹の観光名所にもなっている義民廟は客家の「聖地」ともなっている。歴代の台湾総統が必ず就任後訪れる所でもある。台湾客家の心の拠り所になっている「廟」の略史の翻訳を付した。
著者
吉井 美知子 よしい みちこ Yoshii Michiko 沖縄大学人文学部
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 = Journal of the Faculty of Humanities and Social Sciences (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.18, pp.11-24, 2016-03-07

ベトナムでは初の原発建設計画が進められている。南部のニントゥアン第一原発をロシアが、第二原発を日本が受注し、着工は2022 年以降とっている。原発に関する世論調査等は一切行われていない。外国人による現地取材や調査も非常に難しい。そこで本研究では立地地元ではなく、国内外の離れた場所で暮らす地元出身者への聴き取り調査を実施した。これにより現地出身者の意見を明らかにする。調査の結果、学歴が中卒以下の人々の多くは、フクシマ事故や故郷に建つ原発の計画を知らず、意見も持たないことがわかった。また高卒以上の人々は放射能への不安、人材不足の懸念からの反対が多く、日本には原発ではなく再生可能エネルギーへの支援をという声が集まった。立地地元に情報が行き渡らず、高学歴者の間で計画への反対意見が多いなか誰ひとり意見発信ができない。言論の自由のない国を狙って原発を輸出する日本の、道義的責任が問われている。Vietnam prepares to build its first nuclear power plants (NPP) in Ninh Thuan Province, Russia andJapan as the suppliers.This study conducted interviews with the locals of Ninh Thuan and nearby areas who temporarily stayand work in major Vietnamese cities or overseas to acquire their opinions on the NPP.Results showed that those with low-level education lack knowledge of and opinions about nuclearproject. Those with higher-level education oppose the project and have concerns about nuclear disaster, butlack the ability to express their opinions.Japan's targeting of countries without freedom of expression for NPP project places its moralresponsibility in question.
著者
高木 博史
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.61-70, 2010-03-31

2007年末に、「社会福祉士及び介護福祉士法」が制定されて以来、初めての改正が行われた。特に介護福祉士に関する改正で、「准介護福祉士」の規定が盛り込まれたことは、日本の介護労働事情に大きな影響を及ぼすことになる。 なぜならば、「准介護福祉士」資格は「介護福祉士」との関係において「下位資格」に当たるものであり、一般的にも低待遇が課題となっている介護現場において、さらに「低賃金・低待遇」の条件下での労働を強いられることになるのではないかという懸念が生じるからである。そこで、「介謹福祉士」と「准介護福祉士」 と同様の関係性を持っと考えられる「看護師」と「准看護師」 の関係を比較材料とし、その実態を明らかにすることで「准介護福祉士」の再考を促す問題提起としたい。
著者
玉木 千賀子
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.51-60, 2010-03-31

本研究では,介護支援専門員の仕事のやりがいと困難に着目し,介護保険制度のさまざまな変更に対応しながら仕事を続けてきた経験年数の長い介護支援専門員の住事のやりがい,業務上の困難を主任介護支援専門員に対する調査によって明らかにした。調査の結果,介護支援専門員は「利用者の笑顔や感謝の言葉」「利用者の変化」「自分自身の成長」などに仕事のやりがいを感じていた。そして,介護支援専門員の大部分が「記録の業務jに困難を感じていた。さらに,介謹支援専門員の7割がfケアマネジメントのカ量に対する不安」「書類の作成に追われて利用者に対して充分な支援ができない」「残業や休日出勤」 などの理由で転職を考えるという経験をしていた。
著者
大場 渉 奥田 知靖 菅 輝 塩川 満久 沖原 謙
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.17-27, 2011-03-31

本研究は、バスケットボールの公式試合中における各選手とボールの移動距離と移動速度を明らかにし、体力的トレーニングの効果的なコーチング資料を提供することを目的とした。分析対象の試合は、第○○回全国高等学校総合体育大会女子準決勝A高校対B高校(74-68でA高校勝利)であり、撮影された画像を基に、DLT法を用いた三次元画像解析法により全選手とボールの移動距離・移動速度を算出した。その主な結果は次の通りである。1)高校女子選手の移動距離の平均と標準偏差は5587±171mであった。2)高校女子選手の最高移動速度の平均と標準偏差は7.03±0.51m/sであった。3)最高移動速度に対する移動速度割合の度数分布から、ゲーム中の運動強度割合は高強度:中強度:低強度は5:4:1であった。これらの結果から、バスケットボールにおけるコンディショニングや戦術に関する若干の指導上の示唆が得られた。