著者
壱岐 一郎
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.1-12, 2002-03-31

21世紀,最初の年は米中枢多発テロ,炭疽菌テロで米国が揺らいだ。日本政府は英国に次ぐ武力報復協力を示した。「報復」ムードの中で1941年9月に急死した,ジャーナリスト桐生悠々(1873-1941)を回顧することは無駄ではなかろう。大阪,東京,長野,名古屋などで記者活動をした桐生は信濃毎日新聞主筆として関東防空大演習を嗤う」を書き,退社に追い込まれ,60代の8年間,半月刊の個人誌『他山の石』を発行し続けたが,日米開戦3か月前,「廃刊の辞」を記した。「この超畜生道に堕落しつつある地球の表面より消え失せることを歓迎致し居り候うも,唯小生が理想したる戦後の一大軍粛(ママ)を見ることなくして早くもこの世を去ることは如何にも残念至極に候う」(一部,現代読みに訂正)と記した。九・一一事件の直後,米大統領は「西部劇」そして「十字軍」のように進撃をと口走った。低劣な台詞は「畜生道の地球」が決して軍縮の道を歩いていないことを示す。
著者
圓田 浩二
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.65-77, 2005-03-31

摂食障害者はしばしば性的虐待の犠牲者であると語られたり、あるいは恋愛依存症やセックス依存症を併発すると指摘される。本稿は、摂食障害者のセクシュアリティの実態を明らかにすることで、彼女ら/彼らの食と性との関係を分析する。そこで本稿では次の二つの問いを設定する。(1)「摂食障害において食と性は関連しているのか? 関連があるとすれば、どのような関係なのか?」、(2)「摂食障害者のセクシュアリティはそれ以外の人々と同質なものなのか? 違いがあるとすれば、何がどう違うのか?」。使用されるデータは、筆者が収集した35人の摂食障害者に対する面接インタビュー調査と日本国内で行われた全国規模の質問紙調査とで得られた二つの調査結果である。分析の結果、摂食障害において食と性は強く関連していることと、摂食障害者のセクシュアリティはそれ以外の人々のそれと同質なものであったが、摂食障害者はその心理的・情緒的な面において困難を抱えていることがわかった。
著者
圓田 浩二
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.55-64, 2004-03-31

本稿は近年増えつつあるとされる男性の摂食障害に焦点を当て、「なぜ男性が摂食障害になるのか?」、「男性の摂食障害は女性の摂食障害と比較してどう違うのか?」という問いに答えるべく、社会学的見地から男性における摂食障害の原因について考察を深めている。具体的には、文献資料とインタビューデータを用いて、男性摂食障害者の発症モデルを構築する。この作業によって四つのモデルは構築された。(1)ボディ・イメージ型、(2)食事不安型、(3)ジェンダー・アイデンティティ型、(4)環境不適応型である。結論として、ジェンダー・アイデンティティ型を除くと、三つのモデルに男性らしさや男性的価値観が影響していることがうかがえる。それらはさらに二つのタイプに分類できる。一つは見た目に関わるボディ・イメージ型と、もう一つは常に成功者や勝利者でなければならず、失敗を恐れ、それが他人に知られることを極度に恐れる食事不安型と環境不適応型がある。
著者
須藤 義人
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.65-77, 2004-03-31
被引用文献数
2

近年、各メディアからの情報を主体的に判断し、発信伝達できる能力や情報モラルが若年層に求められている。メディアリテラシー教育としてのNIE実践授業は、<メディアを使いこなし、メディアの提供する情報を読み解く能力>を育む学習方法として有効である。沖縄尚学高等学校附属中学校の特設科目「情報基礎」では、スキル中心の情報教育ではなく、情報コンテンツを重視して、授業カリキュラムにデジタル的な作業(Web制作)にアナログ的な作業(新聞分析)を取り入れた。2003年度より適用された新高等学校指導要領では、高等学校の普通教科「情報」の目標を、小学校での<総合的な学習の時間>における情報分野の取り組み、中学校での技術・家庭「情報とコンピュータ」といった情報教育の取り組みと合わせた形で、(1)情報活用の実践力、(2)情報の科学的な理解、(3)情報社会に参画する態度、という三つの観点から養成することを掲げている。本教科「情報基礎」の学習領域は、高等学校の普通教科「情報C」の基礎部分にあたる。情報活用の能力のうち、今後重要視される能力は、活字メディアからの情報コンテンツの受容能力とデジタルメディアを使った表現能力であろう。そこで特設科目「情報基礎」では、メディアにおける情報発信者としての恣意性と情報受信者としての読み解く能力を多面的に理解させることを目標とした研究授業を展開した。NIE教育の新たなる展開として、実践の対象を、中等教育(中学校・高等学校)だけでなく高等教育(大学)にまで拡大することが望ましいと考える。
著者
圓田 浩二
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.83-94, 2010-03-31

本稿の目的は、スターパ・ダイビングというスポーツを行う人々の行為を解明し、その特徴が現代社会とどのように関連づけられるかを探ることにある。ダイパーがどのような動機付けと社会的条件のもとにダイビングを行い、その結果として何を得ているかについて分析・考察を行う。ダイビングを行う人々の行為分析であると同時に、ダイビングを通して現代日本社会のもつ問題を明らかにすることになる。最初にダイビングをフローと位置づけ、次にカイヨワの遊びの概念を用いてダイビングの特徴を明からにする。そして、ダイビングを特徴づける「偶然」と「眩暈」の要素から、現代社会とダイビングの関係性を論じる。現代社会において、ダイビングがスポーツとして、遊びとしての、偶発性に左右され、自己を喪失させ、環境への融合を果たすという、優れた性質をもちながら、その感覚自体が社会制度へと回収されてしまっているではないかと分析している。分析枠組みとして用いるのは、M. チクセントミハイのフロー概念、R. カイヨワの4つの「遊び」の類型、A. ギデンズの再帰性の概念である。結論として、ダイビングを特徴づける偶然と眩暈の要素は、個人にとって、競争と管理、監視、ルーティンによって特徴づけられる日常から引き起こされる存在論的な不安を解消することになる。結果的に、ダイパーが体験として行うダイビングは、現代社会に生きる個人の存在論的な不安を解消する制度として確立されている。
著者
チャンドララール ディリープ
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.11-30, 2003-03-31

本研究は,スリランカで使用されてきたポルトガル語を元にしたクレオール語の例を通して,言語の起源と消滅という両現象に関係するいくつかの重要な問題を提供する試みである。スリランカ・ポルトガル系のクレオール語に関する歴史的,言語社会学的情報を掘り出し,収集資料を言語接触の観点から解釈・分析・記述を行なうことに務める。言語資料の分析においては,言語的変化の過程が社会的変化の過程と並行して進むという前提を活用する。そして,言語の消滅が複雑に絡み合った政治経済的・社旗心理的要素に影響を受けることを指摘する。言語接触と言語消滅の一つの特例にとどまらず,言語の普遍的な問題についても検討を加える。例えば,言語変化の過程とはどのようなものか,その過程に関する接触,多様性や非活性化などの事実が言語理論にどのように貢献するのか,その過程を探ることによってどのような類型的,歴史的洞察が得られるのか,などの問題を考察する。最後に,言語接触が,ある言語形式の進化的発生の道を中断させながら,ことばの中に根本的な変化を持たせることを証明する。そうすることによって,接触言語の起源と存在が語族と祖語の仮説に対して大きな問題を提起することを主張する。
著者
見城 育夫 けんじょう いくお Kenjo Ikuo 沖縄大学人文学部福祉文化学科
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.22, pp.51-59, 2019-03

2018 年度介護保険制度改正に伴う自立支援・重度化防止に向けた取り組みについては,ここに至る過程において様々な議論が行われてきた。今改正のこれまでの議論の整理及び改正の論点と今後の課題について文献分析を基に考察することにしたい。
著者
吉川 麻衣子 よしかわ まいこ Yoshikawa Maiko 人文学部福祉文化学科准教授
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.20, pp.1-16, 2018-01

本研究では,トランスジェンダー青年が,思春期・青年期の発達過程においてどのような行為や心情を経験し,自らの生き方をどのように模索するのかを複線径路・等至性モデル(TEM)を用い質的に分析した。4 名の研究参加者がサポート・グループで語った内容から作成したTEM 図を基に分析したところ,①「自分らしさ」を模索する過程で自己を過剰抑制して自傷行為等に及び,②「性同一性障害(性別違和)」という用語を知って自らの性別違和感を理解し,③サポート・グループに参加することで他者と類似した経験を語り合えることの安心感を得て,④高校に進学することを選択し,⑤ジェンダークリニックを受診し,⑥大学・専門学校に進学することを選択していた。それらの経験に至る径路は多様であり,親や教師の理解が得られるかどうか,診断を受けて治療を開始できるかどうかが,トランスジェンダー青年が思春期・青年期を生きる上で重要な岐路となることが示唆された。Using the Trajectory Equifinality Model (TEM), this study has conducted that transmen youth experienced what kind of act and feelings in adolescence and groped for how I should live. The TEM was created based on the narratives of four transmen who participates in the support group. As the results, six important points were clear: for example, knowing the word"Gender Identity Disorder / Gender Dysphoria," finding the support group that can talk about oneself in peace, and having parents and teachers understand oneself. Their aspects were the complex and diversity of life.
著者
高木 博史
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.61-70, 2010-03-31

2007年末に、「社会福祉士及び介護福祉士法」が制定されて以来、初めての改正が行われた。特に介護福祉士に関する改正で、「准介護福祉士」の規定が盛り込まれたことは、日本の介護労働事情に大きな影響を及ぼすことになる。 なぜならば、「准介護福祉士」資格は「介護福祉士」との関係において「下位資格」に当たるものであり、一般的にも低待遇が課題となっている介護現場において、さらに「低賃金・低待遇」の条件下での労働を強いられることになるのではないかという懸念が生じるからである。そこで、「介謹福祉士」と「准介護福祉士」 と同様の関係性を持っと考えられる「看護師」と「准看護師」 の関係を比較材料とし、その実態を明らかにすることで「准介護福祉士」の再考を促す問題提起としたい。
著者
玉木 千賀子
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.51-60, 2010-03-31

本研究では,介護支援専門員の仕事のやりがいと困難に着目し,介護保険制度のさまざまな変更に対応しながら仕事を続けてきた経験年数の長い介護支援専門員の住事のやりがい,業務上の困難を主任介護支援専門員に対する調査によって明らかにした。調査の結果,介護支援専門員は「利用者の笑顔や感謝の言葉」「利用者の変化」「自分自身の成長」などに仕事のやりがいを感じていた。そして,介護支援専門員の大部分が「記録の業務jに困難を感じていた。さらに,介謹支援専門員の7割がfケアマネジメントのカ量に対する不安」「書類の作成に追われて利用者に対して充分な支援ができない」「残業や休日出勤」 などの理由で転職を考えるという経験をしていた。
著者
大場 渉 奥田 知靖 菅 輝 塩川 満久 沖原 謙
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.17-27, 2011-03-31

本研究は、バスケットボールの公式試合中における各選手とボールの移動距離と移動速度を明らかにし、体力的トレーニングの効果的なコーチング資料を提供することを目的とした。分析対象の試合は、第○○回全国高等学校総合体育大会女子準決勝A高校対B高校(74-68でA高校勝利)であり、撮影された画像を基に、DLT法を用いた三次元画像解析法により全選手とボールの移動距離・移動速度を算出した。その主な結果は次の通りである。1)高校女子選手の移動距離の平均と標準偏差は5587±171mであった。2)高校女子選手の最高移動速度の平均と標準偏差は7.03±0.51m/sであった。3)最高移動速度に対する移動速度割合の度数分布から、ゲーム中の運動強度割合は高強度:中強度:低強度は5:4:1であった。これらの結果から、バスケットボールにおけるコンディショニングや戦術に関する若干の指導上の示唆が得られた。
著者
壱岐 一郎
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.43-52, 2001-03-31

20世紀日本のジャーナリストの多くはペンをもって論陣を張ったが,後半から末期にはテレビ,ラジオなどによって持論を展開した。トーク,つまり話,語りかけの言論活動であった。60年代の田英夫(TBS,共同通信出身,以後,参議院議員),70年代後半からの筑紫哲也(朝日新聞出身,テレビ朝日,TBSキャスター)がその典型であろう。2000年夏,大阪を本拠にして,1日平均5枚書きながらテレビ,ラジオのコメンテーターを14年務めた黒田清(大阪読売出身,1931-2000)が全国の多くのファン,友人,知人に惜しまれて逝った。本稿はそのトーク・ジャーナリスト黒田清を解明し,あわせて21世紀を前に東京偏在の日本の大国的,大企業的ジャーナリズムがこのままでいいのか,を考える。すなわち,問われているのは20世紀日本の反省にほかならず,東アジア共通の思想家孔子は「過ははかちてこれを改むるに揮(はばか)ることなかれ」と言い残しているのである。
著者
ヒギンズ ジャネット
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.83-98, 2001-03-31

本論の目的は,視覚イメージを分析するための方法論を紹介し,次に,2000年7月に沖縄で開催された先進国八ヶ国(G8)会議についてのイギリスの主要五大新聞を事例研究としてとりあげる。視覚分析は,記号学,言語学,組織一構造文法を方法論の土台としている。この論文では,クレス(Kress)とバン・リーウェン(van Leeuwen)(1996)のアプローチを用いる。イギリスの新聞に掲載された「沖縄の基地反対」の記事をとりあげ,この記事が表象しているものを紹介し,テキスト(本文)と写真との関係を分析する。Daily Telegraphの記事では,写真のイメージが強く,「平和」よりも「暴かのイメージが強くみられた。
著者
竹沢 昌子
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.2, pp.67-82, 2001-03

1987(昭和62)年に社会福祉士が制度化されて以来、12年が経過した。この間、国民の社会福祉ニーズが変化する中で、社会福祉従事者の人材養成が緊急の課題として取り上げられるようになってきている。社会福祉士の教育課程見直しもその一つであり、なかでも実習指導の充実や実習指導者の養成が提言されている。同時期に、日本社会福祉士会は実習指導者養成研究会を発足させ、後進の育成に自ら積極的に関わる姿勢を見せている。そこで筆者は、社会福祉士(沖縄県)を対象として、実習指導における社会福祉士の役割に関する意識調査を行なった。調査結果によれば、社会福祉士として実習教育に積極的に関わりたいというグループと、社会福祉士としての意識の希薄さから実習教育への関わりに消極的なグループとに大きく分類された。本稿においては、近年の社会福祉士養成教育に関する施策と実習指導の現状を分析するとともに、上述の調査結果を紹介、考察する。It has been twelve years since a social work license became nationally certified in 1987 in Japan. This paper focuses on a discussion of who are to be leading field instructors for students who wish to be certified social workers (CSWs). The author conducted the study in Okinawa, Japan. The author surveyed CSWs, asking them how they perceive their roles in field placement education. Of the 136 questionnaires sent out, 48 were returned. The results reveal two different perspectives on field placement education. One group (approximately 60-70% of the respondents) believes they should positively become involved as field instructors since they recognize they are most qualified to teach the unique knowledge, skills, values and perspectives of social work professionals. These respondents identify teaching social work students as one of their professional roles and commitments. Another group (approximately 20-30% of the respondents) remains uncertain about their roles and uninterested in becoming involved in the education.
著者
緒方 修
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.3, pp.67-73, 2002-03

1994年以来、筆者は世界各地で開かれる客家大会に参加している。94年12月中国・広東省梅州、96年11月シンガポール、98年10月台北、99年11月マレーシア・クアラルンプール、2000年中国・福建省龍岩。毎回、世界各地の30~70を数える客家団体が、代表団を送り込んでくる。開会式は多い時で2500人を超える。参加者は想像もつかない数に膨れ上がることもある。特に中国大陸で開かれた2回の大会(94年12月広東省梅州、2000年福建省龍岩)は街をあげての歓迎だった。当局の発表で約20万人と記憶しているが、おおげさな数字ではなかろう。小中高生が動員され、歓迎行事やマスゲームに欠かさず出演する。警察も役所も全てが期間中はかかりきりになる。なにしろこの大会のために道路や競技場が新設され、文化会館やその他の施設が出来るほどだ。中国にとっては世界中から人を迎える大事な大会なのだ。今回参加した台湾・新竹の客家大会は、世界大会ほどの規模ではない。だが新竹は台湾の中でも客家人の多い地域として知られている。県知事も客家人だ。本来アメリカで開かれている大会をわざわざ今回台湾で開くことにも興味を持った。新竹の観光名所にもなっている義民廟は客家の「聖地」ともなっている。歴代の台湾総統が必ず就任後訪れる所でもある。台湾客家の心の拠り所になっている「廟」の略史の翻訳を付した。
著者
スミンキ- 陽子
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.41-48, 2011-03-31

アニ-ベイビ-はネット作家として彗星のごとく中国の文壇に現れた、まさにIT時代が生み出したニュ-ジェネレ-ションの新進気鋭の作家である。本稿でとりあげる『さよならビビアン』は、作者が初めて出版した同名小説集に収められたデビュ-作である。作者は「人間関係における授受及び被授受」そして「混沌とした社会に生きる人々がもつ孤独と困惑」を重要なテーマに掲げている。本稿ではアニ-ベイビ-のデビュ-作、及びその他の著作に共通して作者が描き続ける「日常生活の中にある非日常的なストーリ-」に着目し、『さよならビビアン』における人間関係、言語運用の角度から登場人物の心理に焦点を当てて論を進める。
著者
陳 晋
出版者
沖縄大学人文学部
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
no.7, pp.17-27, 2006-03

本論文は、中国市場に進出し、且つ成功している日本のエアコンメーカーと乗用車メーカーを取り上げ、これら日本企業の中国市場での戦略策定と戦略実行を観察し、経営戦略論の観点からその成功要因を究明した。ダイキンとホンダが本格的に中国に進出したタイミングは先行組の日米欧メーカーより遅れていたが、WTO加盟に備えて市場を再開放し、洗練された商品のニーズが拡大する黎明期に当たった。両社が中国で成功した重要な要因のひとつは、先行組の外資系やローカルメーカーが持っていないオンリー・ワンの先端技術にある。また、両社は経営ノウハウを生かして、現地の市場調査や販売システムの構築に力を入れていたことも大きい。さらに、両社が共に中国市場で自社の技術や販売の優位性を活用しながら、新しい製品セグメントを開拓し、世界市場に向かって事業を拡大していることも注目すべきところである。This paper discusses the strategy formation & implementation of successful Japanese manufacturing makers in the Chinese market and traces their successful factors by the framework of management strategic theory. First of all, even though Daikin and Honda entered Chinese market much later than other early advanced foreign enterprises of Japan, Europe and America, the timing was quite fortunate since it was China's economic opening reform preparing for entering WTO and also at the dawn of expanding needs for refined commodity. Moreover, one of the most important factors of two manufactures succeed in China is their only-one-hightechnology that early comers of foreign and local manufacturers do not posses. In addition, both manufactures strived to do the local marketing research and to build their own efficient sales system should be considered. They did not use existing distribution route, instead established their unique sales channel from the very beginning. Finally, it is necessary to pay attention to the development of a new product segment and the business expansion toward the global market by two manufactures' flexible utilization of their original technology and sales superiority.
著者
宮本 晋一
出版者
沖縄大学
雑誌
沖縄大学人文学部紀要 (ISSN:13458523)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.69-78, 2007-03-31

近ごろはスポーツに対しての考えが、「みるスポーツ・するスポーツ」において人々の関心は別れてきている。なかでも、少子化の中で「するスポーツ」の人口は減少傾向にある。また「みるスポーツ」においては、野球人気の低迷をよそに、女子ゴルフや女子フィギュアスケートと女子若年層の活躍もあり、新たに身近なスポーツとしてとらえられ望ましい傾向にある。このように競技スポーツの捉え方が変化・多様化している社会状況のなか、自分を変えたい「自己改革」を図りたいE女子大学学生の競技スポーツの可能性について触れることとした。それは、これまでただ漠然と考えていただけで体系的に整理したことがなかった。そこで本稿において試論ではあるが、それの一端を果たしてみたい。自分を変えたい学生にとっての競技スポーツの可能性とトップアスリートの自己変化認識能力について考え、競技スポーツに新しい展望を切り開く参考・目的となることが本稿のテーマである。