著者
上原 聡
出版者
嘉悦大学
雑誌
嘉悦大学研究論集 (ISSN:02883376)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.1-15, 2009-10-01
被引用文献数
2

1990 年代以降、マーケティング研究における中核的な概念として顧客満足(CustomerSatisfaction)が再認識されることとなった。このような顧客満足に関する先行研究においては、利益面の経営成果に対して顧客満足が直接的に影響することが示されていることが特に重要な視点となる。先行研究の中では、期待と経験値のギャップが顧客満足に及ぼす影響を扱ったギャップモデルが多く散見されると同時に、顧客満足に対する期待水準自体の直接的な効果も提起されている。本稿では、サービス・プロフィット・チェーンのような有効な理論モデルが提唱され、特に今後の産業構成上に占めるウェイトがより高まることが予想されるサービス企業に焦点をあてる。サービス企業を研究の調査対象とするため、顧客満足に先行する要因としてサービス品質を考慮する。具体的なサービス企業としてホテル業を選んで実証分析を行い、SERVQUAL モデルに立脚した分析枠組みを用いてサービス品質と顧客満足間の関係を調査した。実証分析の結果、期待水準および期待-経験値間ギャップの双方が顧客満足に影響を与えることを明らかにしている。

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