著者
山本 健太郎 三浦 佳世
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.261, pp.109-114, 2009-10-22

同じ呈示時間でも,速く動く対象を観察した時間は,それよりも遅いもしくは静止した対象を観察した時間よりも長く知覚される(時間拡張).本研究では,静止画の速度印象が実際の運動と同様に時間拡張を引き起こすかどうかを検討した.実験1では時間再生課題を用い,0.5s,1.0s,1.5sという呈示時間で,キャラクタの姿勢から得られる速度印象の影響を検討したところ,速度印象は知覚された時間に影響しなかった.しかし,実験2で時間二等分課題(temporal bisection task)を用い,0.5s以下の短い呈示時間で検討をおこなったところ,歩いている姿勢や走っている姿勢のキャラクタを観察した時間が,起立した姿勢のキャラクタを観察した時間よりも長く知覚された.これらの結果は,静止画の速度印象は実際の運動と同様に時間拡張を引き起こすが,その効果は実際の運動に比べ弱いということを示唆している.

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静止画の速度印象が引き起こす時間拡張(視知覚とその応用,一般) http://t.co/iUN45xBj #CiNii 「…歩いている姿勢や走っている姿勢のキャラクタを観察した時間が,起立した姿勢のキャラクタを観察した時間よりも長く知覚された…」

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