- 著者
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猪池 雅憲
- 出版者
- 太成学院大学
- 雑誌
- 太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, pp.35-44, 2010-03
上野天神祭において観光動向調査を行った際の「人とのコミュニケーションを図れた」について「非常に感じた」「多少感じた」と回答したのは79%。参与観察調査で「人とのコミュニケーションが図れた」と考えた学生は64%だった。79%の学生が「伝統的祭りへの理解をもった」と回答し。76%の学生が「上野天神祭をもっと広めるべきだ」と考えたことが分かった。「体験することは役に立った」については73%が感じていると回答している。 参与観察調査における自由記述では,町衆と学生とのコミュニケーション不足を指摘する意見が多くみられた。そこには,学生から町衆への積極的なアプローチはなく,消極的姿勢を浮き彫りにしている。観光動向調査に比べ,ダンジリ曳行または鬼行列の警備への参加の方が有意義だと推測していたが,観光動向調査の方が有意義だったという結果が出ている。その要因を探るために,学生のアンケート調査結果と自由記述を分析した結果,自己の内的な楽しさの有無がフィールドワークの評価を左右していると思われる。