著者
金杉 高雄 猪池 雅憲
出版者
学校法人 天満学園 太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.53-57, 2013

本学の海外研修のあり方について, 参加者数の動向, アンケート調査, 教育観光学の視点そして事前・事後学習から引率・指導を担当した教員の海外研修に対する見解をまとめている。海外研修委員会(旧全学海外研修分科会)が発足して以来, 海外研修へ参加する学生の数は伸びている。そのような現実の中で, 参加した学生の大部分は自分自身の中に今まで気づくことができなかったもう1人の自分を発見している。これは大学生という感受性豊かな人生の1コマにおいてこそ収穫することができる財産と化している。新しい自分を発見するきっかけとなったのは海外という異国の地であるからこそ洗練される協調性と連帯感がかなり育まれたためであろうと考えられる。海外研修は学生諸君の自己啓発に重要な役割を果たしている。
著者
猪池 雅憲
出版者
太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.23-34, 2010-03

本稿の目的は,三重県伊賀市における観光動向を知ることである。平成21年10月23・24・25日に行われた上野天神祭を機会に観光動向調査を行った。学生の参加数は35名で,24日に上野天神祭に訪れた観光客を対象に調査を行い分析したものである。 伊賀市観光動向調査において,以下のことが明らかになった。三重県からの観光客は48%。自家用車での来訪が63%。旅行形態では家族35%,カップル・友人同士の小グループ30%となり,合わせると65%になる。上野天神祭に初めてという観光客は34%で,6回以上という回答が36%あった。県内の住民が,毎年あるいは複数回にわたりリピーターとして訪れており,他の観光地へは既に行ったことがあり,観光というよりも地域のための地元の祭りといった色合いが濃いことがわかった。
著者
猪池 雅憲
出版者
太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.35-44, 2010-03

上野天神祭において観光動向調査を行った際の「人とのコミュニケーションを図れた」について「非常に感じた」「多少感じた」と回答したのは79%。参与観察調査で「人とのコミュニケーションが図れた」と考えた学生は64%だった。79%の学生が「伝統的祭りへの理解をもった」と回答し。76%の学生が「上野天神祭をもっと広めるべきだ」と考えたことが分かった。「体験することは役に立った」については73%が感じていると回答している。 参与観察調査における自由記述では,町衆と学生とのコミュニケーション不足を指摘する意見が多くみられた。そこには,学生から町衆への積極的なアプローチはなく,消極的姿勢を浮き彫りにしている。観光動向調査に比べ,ダンジリ曳行または鬼行列の警備への参加の方が有意義だと推測していたが,観光動向調査の方が有意義だったという結果が出ている。その要因を探るために,学生のアンケート調査結果と自由記述を分析した結果,自己の内的な楽しさの有無がフィールドワークの評価を左右していると思われる。