著者
山本 政人
出版者
学習院大学
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
no.8, pp.119-128, 2009

本研究では幼児がどのように因果的な話を産出するかを検討した。5 ~ 6 歳の幼児46 名に3枚の絵カードを見せ、話を作ることを求めた。幼児に呈示した絵には具象的なものと非具象的なものとがあった。幼児へのインタヴューの結果、具象的な絵では、5 歳児の38%、6 歳児の56%が因果的な話を作ることができた。しかし非具象的な絵では、ほとんどの5 歳児が話を作ることができなかった。話を作ることができた子どものうちの何人かは接続詞や副詞を使用したが、それらの使用は5 歳児ではほとんど見られなかった。これらの結果から、因果的な話の産出はディスコースの発達に支えられており、子どもは6 歳までに「起承結(発端・展開・解決)」という物語構造を獲得することが示唆された。

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「子供はおおむね6歳までに物語構造を獲得する」https://t.co/jKh3kfPiOk
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