著者
大寺 亮 堀内 隆彦 富永 昌治
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.27-38, 2010-03-01

本論文では、単眼カメラによって入力された眼球周辺の画像からユーザの視線を自動検出し、ディスプレイ上の視点の周辺領域の画質を実時間で改善するシステムを提案する。一般に、ディジタル画像の画質改善は、画像全体に対して処理を施すため、処理時間が画像サイズや解像度に依存する。そのため、サイズの大きな高解像度画像の画質改善結果を、実時間で得ることは困難であった。本システムは、視点周辺のみの画質を高速に改善することによって、この課題を解決する。本論文では、高精度で高速な視線の検出を、パラメトリックテンプレートを利用した虹彩マッチングによって実現する。画質改善は、Retinexモデルを改良し、これを時系列処理することによって実現する。さらに、これらの処理をGPU上に実装することによって、一般の画像観測環境における実時間処理を実現した。画質と演算時間に関する評価実験によって、提案システムの有効性を検証する。

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[メディアシステム演習C][2010]

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