- 著者
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Dubatolov V.V.
Lvovsky A.L.
吉本 浩
- 出版者
- 日本鱗翅学会
- 雑誌
- 蝶と蛾 (ISSN:00240974)
- 巻号頁・発行日
- vol.48, no.4, pp.191-198, 1997
- 参考文献数
- 32
- 被引用文献数
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1
St-Petersburgのロシア科学アカデミー動物学研究室に保管されているSatyrus motschulskyi Bremer&Grey,1852とYpthima amphithea Menetries,1859の模式標本を調べた結果,それらは同一種であることが分かった.両タクサの後模式標本とそれらの♂交尾器を図示した.チョウセンウラナミジャノメの学名はYpthima motschulskyi(Bremer&Gray)となるが,中国北部および韓国のものを原名亜種,沿海州のものを亜種amphithea Menetriesとした.沿海州の亜種は原名亜種よりも小型,後翅裏面は全体に暗く,波状模様もあまり明瞭でない.Y.motschulskyiがチョウセンウラナミジャノメの有効名となる関係で,ウラナミジャノメの有効名には台湾から記載されたY.multistriata Butler,1883が昇格する.原名亜種は台湾及び中国東部に産し,日本本土亜種はniphonica Murayama,1969,対馬亜種はtsushimana Murayama,1969となる.韓国産はtsushimanaよりも裏面の波状紋の発達が弱い点で区別されるが,Y.obscura Elwes&Edwards,1893,Y.elongatum Matsumura,1929はいずれもmotsculskyiのシノニムで,韓国産multistriataの亜種名として適格なものがないため,新亜種koreana ssp.n.を記載した.