著者
畑本 裕介
出版者
山梨県立大学
雑誌
山梨県立大学人間福祉学部紀要 (ISSN:18806775)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-15, 2010-03-05
被引用文献数
1

本稿は、いわゆる「限界集落論」を批判的に検討し、さらに実際の調査でこうした集落の姿を違った角度から明らかにしようとするものである。限界集落論とは、疲弊する地方の中でも高齢化が進み地域経済の担い手が喪失しつつある集落を限界集落と名づけ、その集落の困窮を明らかにする主張である。とはいえ、現実のそうした集落は、外部との交流が閉ざされているわけではないし、自動車などの交通手段の発達のために周辺の地方都市と密接に結びついて日常交流圏を形成している。また、こうした集落の生活者も高度に自立した人々であり、その生活は悲惨でも憐憫の対象でもない。地域の悲惨さを強調する議論は、無駄な地域の再開発や復興の議論に結び付く危険がある。本稿はこうした傾向には継承を鳴らし、真に必要なのは生活者の現在の生活を快適なものとするためのメンテナンスを行う地域福祉であると主張する。手続きとして、まずは限界集落論についての概要の説明とその批判的検討を行った。次に、著者の行った調査の対象地域である山口県山口市徳地地域の概要を紹介した。その後、地域調査の結果を検討し、もう一度限界集落論の主張と、ここで明らかになった事実をつき合わせ、地域生活の生活基盤維持のために真に必要な方策の方向性について提案した。最後に、著者が提唱する「空間戦略」概念に基づいた地域の把握の仕方でもってこの地域の状況を改めて俯瞰しまとめとした。

言及状況

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編集者: Benichan
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