著者
温 文 石川 徹 佐藤 隆夫
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, no.25, pp.79-82, 2010-06-29

本研究は、大規模空間から空間知識を獲得する際の言語・視覚・空間ワーキングメモリが果たす役割を検討し、方向感覚の個人差が空間知識獲得のプロセスに与える影響を調べた。実験参加者にはビデオでルートを学習してもらい、学習の際に言語、視覚、或いは空間的な妨害を与え、各妨害条件で空間知識の学習成績がいかに低下するかを調べた。方向感覚のよい人は、ランドマークとルートの知識を、言語および空間ワーキングメモリを用いて符号化し、それらの知識をサーベイ知識に統合する際に、言語・視覚・空間ワーキングメモリのすべてを利用していることがわかった。一方、方向感覚のよくない人は、ランドマーク知識を言語的に符号化し、またルート知識を学習する際に特に視覚ワーキングメモリに頼る傾向が見られた。その結果、方向感覚のよくない人は、限られた学習ではサーベイ知識を効率的に獲得できないと考えられる。

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