著者
李 貞美 小川 俊樹
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学 (ISSN:13452894)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.120-143, 2010

社会が望む美の基準に合わせるために,醜いと考えている身体部分に手を加えることは自分の外見を変える方法の一つである.現代社会において外見の魅力はますます強調されている.本研究では女性を対象に,美容のために体に手を加えることに関する認識の特徴を検討するために,"美容のための身体可変性の認識尺度(BMB)"を作成し,"有用性の認知および結果に対する期待"と"罪悪感および人工性の観点にとらわれない傾向"の2つの次元で構成されていることを確認した.この結果は,女性が美容のために体に手を加える際の葛藤を明確に示している.いくつかの例外を除けば,多くの身体加工においてBMBの第1因子の特性が重要であること,またBMBの第2因子はより危険性が高い身体加工と関与していることが示された.韓国と日本の女子大生を対象にBMBと身体可変リストについて比較検討を行った結果,身近に行われる身体加工について受容しやすくなることが推察された.また自分の体に手を加えて外見を変えられるという認識は,主に体重と関連した統制の認識とは異なる概念である可能性も示唆された.

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