著者
遠藤 由香
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.50, no.8, pp.733-740, 2010
参考文献数
27

目的:思春期過敏性腸症候群(IBS)の疫学的特徴を明らかにする.方法および対象:中学3年生にアンケート調査を施行した.質問紙にはRIIMQ,SIBSQ,GSES,SF-36v2を用い,さらに睡眠やストレスなど生活に関する質問を付加した.結果:男子106名(12.7%),女子145名(16.3%)がIBSと診断された.全員IBSの治療歴はなく,有症状率に地域差はなかった.IBSの腹部症状に大きな男女差はなく,ストレスによる症状増悪は女子に多かった(p<0.05).IBS群は対照群に比して,睡眠障害,ストレスやトラウマ(各p<0.01)をより多く訴えた.IBS群では,女子のほうが男子よりストレス,トラウマを多く訴えた(各p<0.05).IBS群は対照群よりGSESとSF-36v2の全下位尺度で得点が低かった(各p<0.01).結論:思春期IBSでは性差の面で成人とは異なる傾向が認められた.

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IBSの腹部症状に大きな男女差はなく,ストレスによる症状増悪は女子に多かった IBS群は対照群に比して,睡眠障害,ストレスやトラウマをより多く訴えた.IBS群では,女子のほうが男子よりストレス,トラウマを多く訴えた https://t.co/DASIJr3aj3

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