著者
MURAYAMA SHU-ITI
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.66-68, 1959-11-15

著行は本文で台湾産コモンタイマイ及び5種の蝶類異常型の記載を行った.これらの材料は土として陳維寿氏の提供にかかるものでここに謝意を表する.コモンタイマイについては原種とみられる手もとのインド・アッサム産(Fig.3)や南シナ産の標本とくらべると,前翅表面1b室の中央1a脈に接して存在するやや矩形の緑色紋が基部の側に向ってこれに近く存在する,より小形な緑色紋と相融合する傾向をもつことが注意される.融合しない個体では,細い黒線で2つの紋が境され,原種の様に全く離れることはない.この点がもっと多くの個体で確認されると台湾の本種は地方型として分離出来るだろう.但し梅野氏(Zephyrus,5:247-248)が指摘された台湾産の本種は後翅の尾状突起が原種程長いものはないという点は,必ずしもすべての個体にあてはまらない.写真でみるように,♂には短い個体はあるが,♀は長く,♂でも♀と同様のものもあるから,これは固定した特徴となし難い.次にシロオビアゲハについては私はさきにNew Ent.Vol.7,No.1(1958)で応♂2異常型を記載したが,今回は2♀♀1♂を記載する。元来♂♀共に多型の種でこれらにすべて命名の必要があるとは思わないが,顕著なものにはある方が便利だろう。♀-ab.scintillansのTypeでない方の個体は一応同系列の異常型としたが,色彩は非常に趣きを異にし,中室端及び第2,3,4室基部の白紋は橙黄色をおび,これに続く赤紋及び第1室の長大な赤紋は紫白色をおび,後翅全体として赤紋はえび茶色を呈するが,裏面も同様赤紋に著しく紫白色鱗を交える.

言及状況

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こんな論文どうですか? Some notes on Formosan Butterflies(MURAYAMA SHU-ITI),1959 http://t.co/Lb2l1Px8qZ 著行は本文で台湾産コモンタイマイ及び5種の蝶…
こんな論文どうですか? Some notes on Formosan Butterflies(MURAYAMA SHU-ITI),1959 http://t.co/Lb2l1Px8qZ 著行は本文で台湾産コモンタイマイ及び5種の蝶…

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