著者
RAZOWSKI JOZEF YASUDA TOSIRO
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.14, no.4, pp.80-89, 1964-05-30

日本産のハマキガ亜科に属する8新種を記載し,併せて現在まで同定を誤まられて来た1種の種名の訂正を行った.尚,8新種の内3新種は大英博物館に保存せられていたものに基いた.2) Acleris simplex RAZOWSKI et YASUDA タカネミダレモンハマキ(新称) この属の中では大型の種で,秋に長野県山岳地帯,北海道で普通.A. hastianaと混同せられていたがゲニタリヤで区別出来る.寄主植物はシラカンバである. 2) A. hokkaidana RAZOWSKI et YASUDA キタハマキ(新称) 大英博物館に保存せられていた北海道産の♂に基いたもので詳しい記録は不明である. 3) A. electrina RAZOWSKI et YASUDA トガリハマキ(新称) 奈良春日山と長野県蓼科とで採集されたA. orphnocycla MEYR.に似たもので成虫越冬するものと考えられる.4) A. crassa RAZOWSKI et YASUDA シロウマハマキ(新称) 長野県白馬山麓及び岐阜県池野で記録された大型種,秋に出て成虫越冬するものと考えられる.非常に個体は少ない.5) A. phantastica RAZOWSKI et YASUDA アカネハマキ(新称) 美麗種,秋に出現し東北より四国まで個体は少ないが採集出来る.A. delicatanaに似ているが赤い色と,前翅の菱形の斑紋に特徴がある.6) A. ophthalmicana RAZOWSKI et YASUDA コガラシハマキ(新称) 小型の,針葉樹を加害すると思われる,斑紋に非常に変化の多い種で,秋に長野県山岳地帯に多産するものである.これは A. albiscapulanaに非常に良く似ているが,新種の方には前翅基部の黒色の小さな毛の束がない. 7) A.takeuchii RAZOWSKI et YASUDA ヒメサザナミハマキ(新称) 竹内吉蔵氏の採集品によるもので岐阜県と大阪とで記録されている.A. lacordairanaに似ているが新種は翅面に暗褐色の細いサザ波の斑紋が一面にある.8) A. roxana RAZOWSKI et YASUDA ヒダハマキ(新称) 小型の種,前種に似るが斑紋が不鮮明で前翅基部に大きな黒斑があるのが特徴.岐阜県高山で採集したものである. 9) A. ulmicola MEYRICK ニレハマキ A. boscanaと同定されて来た種で,夏型,秋型の2型がある.北海道に普通である.寄主植物はアキニレ.この結果boscanaは日本におらない事となる.

言及状況

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@zakuro0603 新種にした論文の和名新称がコガラシハマキなんですよね。改名というか元に戻すというか… http://t.co/vHiXaYOd

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