著者
水流 輝彦 影山 進 成田 充弘 岡田 裕作
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.101, no.6, pp.738-741, 2010-09-20

28歳,男性.左陰嚢内無痛性小腫瘤を主訴に受診.身体所見では左精巣上体尾部に無痛性腫瘤を触知し,精巣・精管は正常であった.超音波検査にて精巣実質と等信号の内部均一な径16mmの球状の腫瘤を認めた.左精巣上体腫瘍の診断で陰嚢切開を行った.腫瘍は精巣上体尾部近傍に位置し,精巣白膜のような白い膜で覆われていた.術中迅速標本では悪性変化を認めない精巣組織であり,多精巣症と診断された.精巣上体,精管との交通がなかったため余剰精巣は摘除された.多精巣症は比較的まれな先天奇形であり,文献的には海外も含めると100例以上の報告がある.余剰精巣の手術摘除の適応に関しては一定の見解はない.陰嚢内に余剰精巣が存在する場合は術中の生検所見で異形成を認めた際は摘除が推奨される.余剰精巣が温存された際は慎重に定期的な診察と超音波検査が必要である.しかし,陰嚢外に存在する余剰精巣は悪性化の危険性が高くなるため摘除が必要である.

言及状況

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①それが本当かはさておき 実際にそういう症例はあります 余剰精巣がある状態を「多精巣症」といいます 余剰精巣は正常な付属器を持たず発達もよくないもので通常は切除されます 一般には停留精巣と同じく発癌リスクがあるとされます http://ci.nii.ac.jp/naid/110007730478 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpnjur ...

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