4 0 0 0 OA 多精巣症の1例

著者
水流 輝彦 影山 進 成田 充弘 岡田 裕作
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.101, no.6, pp.738-741, 2010 (Released:2012-03-16)
参考文献数
11

28歳,男性.左陰嚢内無痛性小腫瘤を主訴に受診.身体所見では左精巣上体尾部に無痛性腫瘤を触知し,精巣・精管は正常であった.超音波検査にて精巣実質と等信号の内部均一な径16mmの球状の腫瘤を認めた.左精巣上体腫瘍の診断で陰嚢切開を行った.腫瘍は精巣上体尾部近傍に位置し,精巣白膜のような白い膜で覆われていた.術中迅速標本では悪性変化を認めない精巣組織であり,多精巣症と診断された.精巣上体,精管との交通がなかったため余剰精巣は摘除された. 多精巣症は比較的まれな先天奇形であり,文献的には海外も含めると100例以上の報告がある.余剰精巣の手術摘除の適応に関しては一定の見解はない.陰嚢内に余剰精巣が存在する場合は術中の生検所見で異形成を認めた際は摘除が推奨される.余剰精巣が温存された際は慎重に定期的な診察と超音波検査が必要である.しかし,陰嚢外に存在する余剰精巣は悪性化の危険性が高くなるため摘除が必要である.
著者
水流 輝彦 影山 進 成田 充弘 岡田 裕作
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.101, no.6, pp.738-741, 2010-09-20

28歳,男性.左陰嚢内無痛性小腫瘤を主訴に受診.身体所見では左精巣上体尾部に無痛性腫瘤を触知し,精巣・精管は正常であった.超音波検査にて精巣実質と等信号の内部均一な径16mmの球状の腫瘤を認めた.左精巣上体腫瘍の診断で陰嚢切開を行った.腫瘍は精巣上体尾部近傍に位置し,精巣白膜のような白い膜で覆われていた.術中迅速標本では悪性変化を認めない精巣組織であり,多精巣症と診断された.精巣上体,精管との交通がなかったため余剰精巣は摘除された.多精巣症は比較的まれな先天奇形であり,文献的には海外も含めると100例以上の報告がある.余剰精巣の手術摘除の適応に関しては一定の見解はない.陰嚢内に余剰精巣が存在する場合は術中の生検所見で異形成を認めた際は摘除が推奨される.余剰精巣が温存された際は慎重に定期的な診察と超音波検査が必要である.しかし,陰嚢外に存在する余剰精巣は悪性化の危険性が高くなるため摘除が必要である.
著者
吉田 修 七里 泰正 奥野 博 寺井 章人 岡田 裕作 吉村 直樹
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1996

今回の疫学調査では1990年および1995年の尿路結石患者の年齢、性、部位、初発・再発別頻度と治療法別頻度につき調査表による集計を行った。1997年時点の日本泌尿器科学会専門医教育認定施設(1,197施設)に調査を依頼し、1995年調査では439施設より計85,239例の情報が集積された。初発上部尿路結石症の年間罹患率(10万対)は1965年の43.7から1995年には80.9へと大幅に増加した。1980年日本人口を基準に年齢調整した年間罹患率は1965年54.2、1995年68.9であった。1965年時点の年齢階級別人口をコホートとみなした年間罹患率の経時的変化では、若い世代ほど年間罹患率の増加は著明であった。また、1965年全人口(9830万人)をコホートとみなすと、1965年43.7、1975年64.0、1985年88.9、1995年110.9と顕著な増加を示した。これらの結果から、近い将来も日本人全体での年間罹患率の増加傾向は継続すると推察された。治療法別では、86〜87%がESWL単独で、またPNL、TULおよびESWLとの併用療法も含めると97〜98%がendourologyで治療されており、従来の開放手術は3%以下に激減した。ESWL装置の全国設置台数は1990年258台、1995年528台であった。上部尿路結石症の推計患者数(1990年115,500例、1995年147,700例)からみて、ESWL治療患者数は1990年44,000例、1995年57,800例と推計され、ESWL装置1台あたりの治療症例数にすると1990年の171例から1995年には109例と減少していた。このことから、わが国のESWL装置は既に飽和状態に達していると考えられる。
著者
飛田 収一 川喜田 睦司 大石 賢二 岡田 裕作 竹内 秀雄 岡田 謙一郎 吉田 修
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.32, no.12, pp.1859-1866, 1986-12

1) VAB-6(Vinblastine, actinomycin D, Bleomycin, cyclophosphamide, cisplatinum)療法を行なった症例で,GOT, GPT, LDH, γ-GPTなどの上昇と平行したAFPの一過性の上昇を経験した.2) 1979年より1984年まで当教室で治療した進行性睾丸腫瘍11例につき,PVB療法,salvage療法,VAB-6療法のそれぞれによる肝障害の有無につき検討した.VAB-6療法症例ではGOT, GPT, LDHは化療後有意に上昇しており,治療前正常であったAFPも治療後有意に上昇していた.3) VAB-6療法後のAFPの一時的軽度の上昇は一過性の肝機能障害と強く相関していた.4)一部の症例ではAFPのconcanavalin Aへの吸着性の検討が可能であり,治療前正常であったAFPの一過性の上昇は肝臓由来と思われた
著者
岡田 裕作 吉田 修 竹内 秀雄 児玉 宏
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.417-423, 1982-04

A 23-year-old man who frequently passed pure calcium oxalate urinary stones after resection of about 100 cm of his ileum and all of his colon for Crohn's disease is presented. Various clinical data, including sodium oxalate loading test, disclosed that hyperabsorption of oxalate from the intestine was the cause of recurrent urolithiasis, which had been well controlled by the adherence to a low-oxalate, low-fat diet and medication of calcium lactate for more than two years. To our knowledge, this is the first reported case of enteric hyperoxaluria due to Crohn's disease in Japan.