著者
鈴木 文子
出版者
佛教大学
雑誌
文学部論集 (ISSN:09189416)
巻号頁・発行日
vol.93, pp.1-20, 2009-03-01

明治時代に始まる「趣味家」といわれるコレクターは、日露戦役の記念絵葉書ブームを経て、大正以降、一般大衆へ広がっていく。また、彼らの趣味蒐集の触手は、時代の趨勢のなか自然に植民地へも伸びていく。本稿では、これまであまり注目されることがなかった趣味家たち、特にその代表的存在である郷土玩具の蒐集家と植民地の関係を考察することにある。趣味家たちは、複数の趣味家集団に属し、自作の版画を交えた多くの同人誌を作成し、また、絵葉書等でさまざまな情報を交換していた。彼らの通信文化を分析しながら、ジャーナリズムとは異なる形で一般の人々に流布していた植民地の風景を考察する。

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市道和豊『満州を駆け抜けた男 須知善一』(室町書房2010)https://t.co/CMYGzXWsPXのほか上田利男編『須知善一のけむりの細道 ある郷土色研究家の生涯』2014あり。「玩具と帝国」https://t.co/fGOFkTP315も。@suntronix_fuga

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