著者
藤岡 久美子 渡辺 梢
出版者
山形大学
雑誌
山形大学教職・教育実践研究 (ISSN:18819176)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.19-26, 2011-03-15

本研究は引っ込み思案行動に対する幼児の受容度について,引っ込み思案行動の場面および種類の点で検討した。90名の幼児を対象に,七つの場面における3種類の引っ込み思案行動の合計21個の仮想場面を提示し,登場人物への受容度を尋ねた。七つの場面は仲間入り・あいさつ・会話・要求に対する応答2場面・援助2場面であり,引っ込み思案行動は,働きかけに対して消極的に反応するもの・躊躇するもの・無反応なものであった。消極的な反応に対する幼児の受容度は,すべての場面において高かったものの,年齢が上がるにつれて受容度は減少する傾向が示された。躊躇や無反応に対する受容度は,場面や年齢および性により異なっていた。要求に対する応答場面や援助場面で示される躊躇や無反応は,受容されにくく,また,年中より年長,男児より女児の受容度が低い場合があった。これらの結果から,自分から集団参加しない他者に対する幼児の評価は,利害のないやりとりの場面での消極的反応に対しては否定的ではないが,明確な応答や自発的な行動が期待される場面においてそれを示さない場合に否定的になることが示唆された。キーワード:引っ込み思案, 幼児, 対人認知

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緘黙児が他の幼児からどのように認知されているかを考える上で参考になりそうな文献。『引っ込み思案行動に対する幼児の認知 : 仮想場面による検討』⇒http://t.co/BaueD4m(国立情報学研究所提供サービスCiNiiより)

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