- 著者
-
渡邊 秀司
- 出版者
- 佛教大学
- 雑誌
- 佛教大学大学院紀要. 社会学研究科篇 (ISSN:18834000)
- 巻号頁・発行日
- vol.39, pp.55-70, 2011-03-01
本論のテーマはカリスマの検討である。カリスマというと「カリスマ主婦」「カリスマ店長」なる言葉を思い浮かべる人も多い。今更カリスマを問う意味がどこにあるのかという考えもあるだろう。しかし,ある程度の構成員を内包する集団が形成される場合,何らかの形でカリスマが関わる場合が多い。マックス・ウェーバーがカリスマについて論じて以後,特に1970年代から80年代にかけてカリスマの検討がされてきた。それらのカリスマ論はカリスマの担い手に主たる関心があったが,本論では,ウェーバーのいうカリスマの「使徒」という,担い手から見れば外部の存在によってカリスマが作られる事を,二段階の「カリスマの構築」という視点に立って論じる。