著者
青木 保憲
出版者
同志社大学
雑誌
基督教研究 (ISSN:03873080)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.113-130, 2009-06

1940年代から始まった「新しい福音主義」は、ビリーグラハムの活躍と相俟って発展していく。しかし彼らに分裂をもたらしたのが「聖書理解」の問題であった。「新しい福音主義」を立ち上げたH.オッケンガやH.リンゼルは、「聖書は無謬である」という主張に基づいて、聖書が真実を語っているとする世界を生み出そうとした。しかし次の世代であるD.ハバード、ダニエル・フラー、そしてP.ジェウェットは、聖書の権威を守りつつも、社会に適応する神学を構築するために高等批評を受け入れていくのであった。前者は「新しい福音主義」の第一世代であり、社会に「歩み寄ろう」とした世代である。そして後者は、実際に一歩「歩み寄った」世代ということになる。当時は、この両方が混在していたのである。

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聖書の低層批評が本文批評になったのはわかるのですが、この頃はhigher criticismがpressing criticismになりつつあるのですか? http://ci.nii.ac.jp/naid/110008463556 >次の世代であるD.ハバード、ダニエル・フラー、そしてP.ジェウェットは、聖書の権威を守りつつも、社会に適応する神学を構築するために高等批評を受け入れていくのであった ...

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