- 著者
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口村 淳
- 出版者
- 一般社団法人日本社会福祉学会
- 雑誌
- 社会福祉学 (ISSN:09110232)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.4, pp.163-173, 2011-02-28
本研究の目的は,高齢者ショートステイにおける相談援助に関するカテゴリを生成し,その特徴について検討することである.特養併設型ショートステイを利用した236人のケース記録を,帰納的アプローチによる質的研究法で分析を行った.その結果25個のカテゴリからなる,【援助困難ケースへの対応】【施設での生活支援】【外部機関への情報提供】【施設利用に関する相談】【家族との連絡調整】【利用者に関する情報収集】【円滑な在宅介護の支援】【苦情対応】という8個の上位カテゴリが生成された.さらにそれらは,「利用期間中の業務」と「利用期間外の業務」に分類することができた.先行研究の多くは長期入所施設を調査対象としているため,本研究のカテゴリとはいくつかの相違点がみられた.たとえば,ショートステイでは利用中の援助にも家族の意向が反映される傾向があるため,【家族との連絡・調整】が重要な機能として位置づけられる点などである.