著者
山口 隆介
出版者
聖泉大学
雑誌
聖泉論叢 (ISSN:13434365)
巻号頁・発行日
no.18, pp.103-116, 2010

トマスの著作の中でもあまり研究されてこなかったと言われる著作『神学綱要』についてその全体をさらに要約し,紹介する。特に第1部の第1篇にあたる「信仰について」を,純粋現実態および現実態という概念を中心に体系をたどりながら要約する。神の一なる神性については純粋現実態という概念が鍵となるが,三位のペルソナについての議論ではそれほど現実態という概念は現れてこない。創造に関しては純粋現実態である神を頂点とし,現実態の多寡による存在者の序列があることが語られるが,その後の議論では,人間が,その知性が神を認識するという現実態において完成するという文脈が優勢になっていくことを示す。

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気になる本がもう一冊。神学提要Compendium Theologiaeの邦訳。これも手に取って見てみたい。訳者の山口隆介さんの仕事が聖泉大学のリポジトリーで公開されている。神学提要の概論もある。トマスの創造・被造観が端的に表れる著作のよう。 https://t.co/t3WTeAD4r0 https://t.co/bb95QsKxLn

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